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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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#散文詩

【詩】 前を向いて 進め

考える 多くのことを考える 許されること 許されないこと 赦されること 赦されないこと 知…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 犬死に

戦争など嫌いだ 君を愛おしむ 君を愛おしむ 戦火の中をくぐり この命は失われるだろう 生き…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 相互不理解

まっすぐに 分かり合えるだけが 世の素晴らしさではない 真っ向から立ち向かう刃の その煌め…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 人は何故薔薇が好きなのか

ひとはなぜ 薔薇が好きなのか それは 確か 黒板に数百枚も 哲学を書き付けた 老学者の問い…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 ものを買うやまい

ふと 目を上げ 商品の棚を見れば 欲しいものは いくらもある 持てる金額の限り 一度しか使…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 明け方に見る夢

明け方に 見る 悪い夢に 浅い眠りを醒まされる どのような夢だったか 既に思い出せない だが…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 疵

木目に 疵が付く いつの間にか 新しい床も 新しい壁も 疵が付く それが時が過ぎると言うことだ 人も無論同じ 疵や 歓喜や 感傷や 痛みや 思慮や 懐古や 苦痛や 憤怒や 悦楽や 妥協や 忍耐や その他様々なものが人を形作る そしてひび割れた爪と荒れた手が 人の歴史を形作る 傷がすべて悪であるとは限らない 勲章に思うこともあるだろう 恥に思うこともあるだろう 時経て傷刻まれた その痕を 誰が恥じるのか 終わりのない 旅はあるだろうか 多

【詩】 人の集まるところ

ひとが 集まる場所というのは どこでも案外と大差ない そこには 諍いがあり 労りがあり 蟠…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 世界の果て

闇の果てに 暗闇に目をつぶれ なにが見える 誰かの声が聞こえるとお前は泣く ここは恐ろしい…

高梨 蓮
3年前
3

【詩】 見知らぬ人々への偽善

例えば 俺が 見知らぬ人のために 泣くのは馬鹿馬鹿しいと思うか 寒い日に 外に放り出された…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 待つ日は長い

俺は 餓え乾いた 砂漠の旅人のようだ なにかを渇望する たまさか ほんの僅かそれが手に…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 理解を乞うこと

理解を乞うのは 同情を乞うことと同じではない だがなぜ いまなぜ理解を乞うのか 望んでいるこ…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 交通事故とは

壊れた マンホールの蓋 消えかけたガードレールの表示 掠れた傷痕が見える 横に長く 斜め…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 波が黒かったあの日

災いの きたることは避けられない いつかは襲い来る それは単に地殻の変動として 幾たびも繰り返されてきたことだ だが それで人が傷ついたり 命を失ったりすることは ひどく心が痛む かなしいのだ とても かなしい 生きることも 死ぬことも さして大差なくても いつかは失う命が そうやって途中で断線する おとなが こどもが としよりが あかんぼうが 命が失われることが とても かなしい