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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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2021年6月の記事一覧

【詩】 言葉が抜けぬ棘となり

いくつも いくつも 言いたい言葉がこぼれ落ちそうに 溢れる そのすべてをそのままに 赴く…

高梨 蓮
3年前
10

【詩】 臆病と怯懦

なにもかもすべて 臆病と怯懦 憤懣と鬱屈 尊大と傲慢 失意と絶望 世にすべて 尊いものばか…

高梨 蓮
3年前
7

【詩】 行方知れずの男

行方知れずの男 その男は永遠に彷徨っている この世を 生きはぐれ 死にはぐれ 永遠に彷徨…

高梨 蓮
3年前
7

【詩】 塗り固められた土の上

遠い 夏の夜に 熱を含んだままの アスファルトに 手のひらで触れたことを思い出す 凍て…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 その矢を放て

放て 放て その矢を 過ちでもよい 心の臓を 鉄と鉛を 血と肉を 貫き通すだけの矢羽根で…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 時機を待つ

時を 待ちわびているのか そうか 何もかもが 果たされることのない約束だなどと あらかじ…

高梨 蓮
3年前
13

【詩】 老人と海

老人と海 久しぶりに見た。 やはりいい映画だと思う。 美しい。海が。 海と 夕焼けの映像が美しい あの国に行ってみたくなるほど

【詩】 詩と

詩と死 生と死 聖と俗 人を殺してそして伝説になる者もいる 人が人として成ったのはおそら…

高梨 蓮
3年前
13

【詩】 古い銅の壺

覚え書きか 煉瓦造りの古い建物 古い銅の壺 常套句で潤色された愛すべき御伽噺 古い銅の…

高梨 蓮
3年前
13

【詩】 酷暑

靴裏からその身を焼くだろう 真下から貫いて届く熱に 誰しもが避けようもなく焙られながら …

高梨 蓮
3年前
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【詩】 照りつける港

日の光が 朝を教える ここは日の昇るくに。 深い澱のような絶望も 焦がれた果てしない熱…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 きしむ

軋む どうしても 軋む そこを通らずば ただ 隣の部屋に行けない 古い家の 古い床の …

高梨 蓮
3年前
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【詩】 睡魔に負ける

睡魔に 負けそうだ 背中から滑り落ちる そのまま床に落ちる 落ちておくのも それほど悪…

高梨 蓮
3年前
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【詩】 全てを自由に

人の 目を惹こうと 書いているわけではない けれど 誰かの目を避けているわけでもない 望む者は望み 訪なう者は訪い まこと 批判と非難をすら含めて すべてが自由に だが 訪れる人々が 一体何を好奇に訪れるのか じつは変わらずいっかな解せないのだが 門は 開かれている 確かに待ち人もそこはかとなくいないわけでもなく それもあてもなく すべての人に それぞれに責任において 何を見て 何を思うか すべてを自由に