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執念第一【#毎週ショートショートnote】

小学校一年生の時に私は同級生の大沢君に深く心を傷付けられた。
それから私の些細な仕返しが始まった。
大沢君の机の上に消しゴムカスを少し置いておく、セロテープを机に貼る、椅子をいつもズラしておく、机を微妙に斜めにする、下駄箱の靴を左右逆に置いておく、人目につかないよう行動するのに緊張したが、慣れてくると何とも思わなくなってきた。

中学も高校も大沢君が行く学校と同じ学校に行った。私はいつも人より早く登校して机の中の教科書やノートの端を少し折ったり、体操着を裏返しにしておいたり、考えつくありとあらゆる些細な嫌がらせをした。
そして大学は別々になってしまったけれど、大沢君好みの女性になるよう努力し、偶然を装って大沢君に近づき、彼が私を好きになるように仕向け付き合うようになった。
就職してからも彼のために尽くし、そして些細な嫌がらせを続けた。彼はそれを気のせいだと思っているようだ。

そして今年彼と結婚をした。これからどんな嫌がらせが出来るか、私は今とても幸せだ。


『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』


たはらかにさんの#毎週ショートショートnote 今週のお題「執念第一」に参加させていただきました。



「執念第一」悩みましたが考えるのは面白かったです。 
たはらかにさん1周年おめでとうございます。

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