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「調」 ② 140字小説

毎年、調子っぱずれな祖父の歌を聴くのが、親族一同の恒例行事だ。誰も文句を言わず、楽しそうに歌う祖父に声援を送っていた。そんな祖父も昨年亡くなった。今年は祖父の歌が聴けない事を誰もが寂しいと感じていた。だから私が元気に歌った。「お前、じいちゃんに似て音痴だな」誰かが笑って言った。


「調」の2作品目です。
田舎の大きな家に親戚一同集まって、皆でご飯食べて歌って。
そういうイメージで書きました。

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