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中洲のスナックから生まれた特別な就労教育プログラム:精神・発達障がいの改善とビジネススキルの向上を目指して

【概要】
母が末期の悪性リンパ腫と診断されたとき、僕は深い悲しみと無力感に襲われました。母は私を育てるために中洲でスナックを経営し、毎晩遅くまで働いていました。母の『お店を守って欲しい』という最後の願いを聞いたとき、僕はすぐに引き受ける決意をしました。これは僕が母に恩返しをする唯一の方法だと思ったのです。

この経験を通じて、私は人々の支援に対する情熱を抱くようになりました。当社アロンジ合同会社は、精神・発達障がいを改善しながらビジネススキルを向上させる特別な就労教育プログラムを開発しました。IPSモデル、認知行動療法、カウンセリングの3つの要素を組み合わせ、チームワークやリーダーシップ、生産性向上を目指します。このプログラムは、著者が亡き母から事業承継した中洲のスナックでの経験に基づいています。現在、各専門家を交えてエビデンスの確立を行なおうとしています。

このプログラムは多くの人々の人生を変えています。具体的には、参加者の多くがチームワークの重要性を学び、リーダーシップを発揮することで自信を取り戻しています。

私たちの目標は、もっと多くの人々にこのプログラムを知ってもらい、参加してもらうことです。皆さんのサポートが必要です。コメントやフィードバックもお待ちしています。

アロンジ就労教育プログラムについて

アロンジ合同会社では、OJTによる特別な就労教育プログラムを開発しました。このプログラムは、精神・発達障がいを改善しながら、高度なビジネススキルを身につけることを目指しています。

このプログラムの柱となるのは、次のエビデンスの高い3つの要素です。

IPS(個別就労支援)モデル

概要:

IPS(Individual Placement and Support)モデルは、精神疾患や障がいを持つ人々が就労することを支援する方法です。これには、仕事を見つけるサポートと仕事に定着するためのサポートが含まれます。

特徴:

•  個別対応: 各人の興味や能力に合った仕事を見つけるサポートをします。

•  継続的なサポート: 就職後も、仕事に定着できるように継続的な支援を提供します。

認知行動療法(CBT)視点に基づくアドバイス

概要:

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy, CBT)は、思考や行動のパターンを変えることで、感情や行動を改善する心理療法です。日常生活の問題解決やストレス管理に役立ちます。

特徴:

•  思考の再評価: ネガティブな思考を見直し、ポジティブな視点を持つように助けます。

•  行動の変化: 不安やストレスを軽減するための具体的な行動を提案します。

•  自己管理: 自分で問題を解決するスキルを身につけることができます。

カウンセリング

概要:

カウンセリングは、専門のカウンセラーと話し合いながら問題や悩みを整理し、解決策を見つける支援方法です。

特徴:

•  信頼関係: カウンセラーとの信頼関係を築き、安心して話せる環境を提供します。

•  問題解決: 現在の問題や困難を整理し、どのように対処すべきかを一緒に考えます。

•  感情のサポート: 感情を理解し、受け入れる手助けをします。

これら3つの要素を組み合わせることで、参加者は精神的なサポートを受けながらビジネススキルを向上させ、実際の職場で成功するための準備が整います。

特に重要なのは、他者のために高い生産性を目指して極めて合理的な思考を展開してゆくことにあります。この良き副作用として、ビジネススキルが格段に向上するのです。言うなれば、その人の持つ才能を自らの手で開発することができるのです。

プログラムの効果

• 他者の立場に立ち、チームワークができるようになる

• 周囲に愛されるようになり、チームの精神的支柱となり、リーダーとなれる

• 生産性が高い合理的な根拠をもって推論が可能になり、ビジネスでの発想が非常に説得力の高いものとなり、そして成功に導く

• 困難や課題に対しても合理的判断が可能になり、そして解決に導けるようになる

• 幸福を感じながら仕事を楽しむことができるようになる

これらは、実際に当社で指導をした結果の一部です。

プログラム開発の背景

このようなプログラムを開発し、結果を残すことができるようになったのは、僕が亡き母より事業承継した、中洲のスナックで女性キャリア支援を始めたことがきっかけでした。

無意識の選択と必然性

無意識における必然の選択、と僕は言います。無意識での選択は、その人の深層心理と深く結びついており、必ずそこには何かしらの理由がある、という意味です。

福祉事業にせよ何にせよ、そこには様々な選択があります。高齢者への介護事業だったり、障がい福祉でも身体・知的障がい者支援だったり、児童福祉だったり、その他、山ほど福祉の種類があります。

男の僕が最初に選んだのは、なぜか女性福祉でした。しかしそれは、恐らくは必然の中で。

母の苦労と事業承継

中洲でスナックを経営している母がガンになったという知らせが来ました。悪性リンパ腫、ステージ4の末期でした。

僕はいわゆる高学歴です。東京大学とパリ大学の大学院を2つ、しかもどちらも博士課程まで進み、学者を目指していたものの思うところがあり中退しました。

奨学金という名のローンをたくさん受けていましたし、僕もせっせと塾講師やプロ家庭教師をするなどしていましたが、母には有形無形の応援をしてもらっていました。

母には何も恩返しができておらず、お店をなんとかして欲しいということでしたので、二つ返事で引き受けました。

中洲の女性たちの現状と支援の始まり

母は僕が小学生の頃から中洲で働いており、それこそ魂を削りながら僕たち兄弟を育ててくれました。母はよく小さな僕に仕事の愚痴をこぼしていました。夜の仕事は違った意味で、いろいろと大変なのです。

夜の世界は華やかで、そして闇に覆われています。あまりここでは詳しく言えないのですが、死にまつわる絵に描いたような不幸話もあるし、人間の欲にまみれた、聞かなきゃ良かった、というような話もたくさんあります。

僕が母にできる恩返しは、お店を守ることではありますが、同時に、僕をある意味で育ててくれた中洲に何か貢献することと考えていました。なので、中洲の女性たちのキャリア支援を始めたのです。

なぜなら、多くの女性が夜の世界から昼の世界に戻りたがっているからです。でも、具体的にどうしたら良いのかわからない方が多いのです。

メンタルを病んでいる夜の女性たちの愛情不足

夜に働く中洲の女性たちは、様々な心の傷を負っている方が多いです。色んな方々の話を僕は聞いてきましたが、僕がいつも強く感じるのは、親子関係に起因する愛情不足です。これを愛着障がいと言うようです。

愛着障がいは、幼少期における親子関係が不安定であったり、十分な愛情を受けられなかった場合に発生しやすい障がいです。愛着形成がうまくいかないと、人は心理的に不安定なまま成長します。

これに対して、発達障がいは生まれつきの神経発達の問題により、他者とのコミュニケーションや社会的なスキルがうまく発達しないことを特徴とします。愛着障がいと発達障がいは、どちらも対人関係における困難を伴うため、その表れ方が似ていることがあります。

私が中洲で出会った女性たちは、これらの障がいが複雑に絡み合っていることが多いようです。多くの女性が、幼少期の愛情不足や不安定な家庭環境が原因で愛着にトラブルを抱えており、その結果、精神的に不安定になりやすくなっていると見受けられます。それが精神疾患に繋がっているのかもしれません。

同時に、発達障がいの特徴を持つ方も多く、他者とのコミュニケーションが難しい状況に直面しています。

このコミュニケーション不全とは、一般的に思われているような「コミュ障」、すなわち人と話すのが苦手、ということだけではありません。中洲などでは人との距離感が図れず、むしろ近すぎてトラブルを起こす場合もあります。

こうした複雑な背景を理解し、支援するために、私はこれらの障がいについての知識を深める必要がありました。

私は専門家ではないため、困っている女性が精神疾患を持っているとか、発達障がいだとか愛着障がいだとかを診断することはできません。一つだけ言えるのは、愛に飢えていて、その結果、メンタルの障がいを持つに至っているようだ、ということだけです。

多くの女性たちからトラウマの告白を受ける

夜の女性たちと話していると、不思議なシンパシーを感じます。僕が、夜の女性の子どもだからかもしれません。シンパシーというのは、何かが通じ合うような感覚です。説明が難しいのですが、夜の世界の人間に特徴的な何か、です。

全員に対してそのように感じるわけではありませんが、けっこう多くの夜の女性に感じる不思議な感覚です。

そのせいかなんなのかわからないのですが、多くの女性が僕と話していると、どんどんトラウマを語ってくれます。

正確には、昔から僕は色んな方々のトラウマの話を聞いてきました。青年期におけるその男女比は変わらなかったのですが、年々、女性の割合が高くなってきています。

僕が女性支援を始めたのはそのことと無関係ではありません。

僕が精神・発達障がいの方々の支援をしていて気づいたことがあります。それは、僕のように人と向き合って正面から受け止める人はそれほど多くはない、ということです。

僕はそれがふつうのことだと思っていました。僕はなるべくなら一言も漏らさず人の話を聞くタイプだと、最近になって分かったのです。

人は、人の辛い話を聞きたくないのです。重い、ということもあると思いますが、もう一つは、自分の傷を思い起こすからではないかと考えます。

今後の展望

このプログラムの結果に基づき、「健常者」に向けた人事研修プログラムも開発し、8月より展開予定です。エビデンスと具体的な手順については後ほど詳しく述べます。

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