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脱「小説家になろう」から始める作家生存戦略 理論編(note版)

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◇はじめに

この「~作家生存戦略」の講座対象は、受講対象は「『小説家になろう』 で頑張ってきたけどもう限界」というネット小説投稿経験者さん。

あるいは「ネット小説投稿を始めようと思うけど、どこで始めたら…」という初心者さんへの、高宮の経験を元にしたネット小説攻略法(?)です。

ちなみに講師の高宮のプロフィールを自己紹介しますと、「カクヨム」掲載作品の評価は最大☆1500、紙書籍化出版経験なし。

(ちなみに先日、拙作『二度目の大東亜戦争』がカクヨムアワード2020 ユーザー推薦部門3位をいただきました。トロフィーしかもらえませんでしたが)。

なんだよ、お前も「ワナビ」かよと思ったあなた。

あなたのネット小説創作活動にプラスになることが書いてありますので、だまされたと思って最後まで読んでください。

1、「小説家になろう」オンリーはやめよう。他のサイトを掛け持ちしよう。

小説家になろうの素晴らしい点は「とにかく人口が多い」こと。ネット小説黎明期からの固定読者が多く、ネット小説の代名詞的存在です。

しかし、高宮はここを「主戦場」にすることを勧めません。

「人口は多いけど、アマチュア作家にとって優しくないサイト」であり、読み専にとっても「読みづらく、応援しづらいサイト」だからです。

○理由その1 
読者層の偏り

(いわゆる異世界転生チートハーレムのキーワードに惹かれるライトユーザー層。小説は無料が当たり前で、本を買ってまで筆者を応援したくない人が多い)

自分の書きたいジャンル(SF、歴史、転生ものでないファンタジー)と合わないと地獄。

○理由その2 

読者からの応援(投げ銭)システムや、広告リターン(カクヨムリワード、貢献ポイント等)がない。ポイント増えても「一銭にもならない」のはつらい。

○理由その3 
十数年前から変化していない(阿部寛のホームページ的な)ユーザーインターフェース。とにかく読みづらい。

ライトノベルなら、紙の文庫本みたいに縦書きで読ませてください。

◇2,テンプレがランキング有利は本当?

テンプレ展開は武器にできれば、たしかに有利かもしれません。
異世界転生、チート、ハーレムなどのキーワードが典型ですね。
あるいは最近はやりの追放系、「ざまあ~もう遅い」展開も。

しかし、そのテンプレは他の人にとっても武器なのです。
その武器での戦いは、まさに文章力、企画力などのガチンコ勝負になります。

ライバルも多く、埋没する危険性大。
そこはまさにマーケティング用語で言う「レッドオーシャン」。

よほどの「天才」と「強運」、「瞬発力」が無ければ生き残れない領域です。

◇3,ジャンルを考える。SF、ファンタジー、歴史は不利?

うん、全然不利じゃないですよね。

SFのライトノベル成功作で言えば「魔法科高校の劣等生」(高宮的にはアレはSFです))。
ファンタジー(ガチ)の成功作はロードス島戦記、

歴史もので言えば「境界線上のホライゾン」、「織田信奈の野望」等々。

やり方次第でいかようにも戦える、むしろ競争相手が少ないニッチなジャンルで狭くても熱い読者を得た方がいいよね、というのが高宮の感想です。

◇4,「大賞受賞」、「なろうから書籍化」はゴールじゃない!あくまでオマケ、と考えよう。

まずは「ライトノベル作家 五年生存率」で検索しよう。ぐんにょりした顔になるよ(邪悪な笑い)。

各ライトノベルレーベルの大賞応募から見事受賞、あるいは「なろう」連載からのスカウトで書籍化作家でもまず二巻目を出せる確率はかなり低く、三巻目以降はお察し…

プロで生き残るのは大変です(遠い目)。
オマケくらいで考えた方が気が楽ですよ。
大賞応募はネット小説投稿の「ついで」にタグをつけるだけで応募完了、というのが多いですし。

短期で成果を得ようとせずにコツコツ書き続けてファンを増やしましょう。

◇5、自己分析は大切です 兼業作家で書き続ける選択。
  大賞受賞しても専業は無理?

4の続きです。
はれてライトノベル作家デビューを飾り、見事3巻、4巻以降を出せたところで原稿料はどれくらいなのでしょうか。
もちろん、社外秘でしょうからエビデンスはありません。

以下はあくまで間接的証拠、「傍証」です。
高宮はライトノベルのあとがきを読むのが好きなのですが。

悲しいことに結構冊数を出しているラノベ作家さんも「サラリーマンと兼業です」という人の多いこと…

「本業の仕事を終えたあとに書いてます」というコメントが物悲しい。

だったら、最初から「投げ銭」や「貢献ポイント」でお小遣い程度の収益を上げることに特化したほうが楽だよなあと思います。
それだって、楽じゃないんですけれど。

◇6、君の勝利条件は?

勝利条件を決めましょう。高宮の勝利条件は「できるだけ長く書き続け、自分の作品を欲する少ないけど熱い人々へ届けていく。そのためにきっちり収益を上げる」

それを考えると大賞受賞でプロ作家(紙書籍)になるって、わりと効率悪いんですよね。

(もちろん純粋に高宮が書籍化作家になるのに才能や努力が足りていないのもありますし、大賞取れたら取れたで紙書籍にチャレンジするのも悪くないとは思いますけど)

ちなみに、収益の手段は各投稿サイトの収益還元システムや、投げ銭、pixivFANBOXでの定期的支援などです。

趣味を続けていくのに、おカネは必要です。

高宮の場合コメダ珈琲店で多くの原稿を書いているので、コーヒー代くらいは稼ぎたかったりする。

金額も大事ですが、支援者さんに10円でも100円でも投げてもらうと、得られるモチベーションはその数十倍なので(高宮理論)。

もちろん、こうした勝利条件は貴方次第。

「大賞受賞を経てプロ作家になる」、「なろうでポイント稼いでランキングに載り、編集部からスカウトされる」道も悪いわけではない。

ただ、高宮のような選択肢もあるということを知って欲しい。

7、忘れちゃいけない、出版業界は斜陽産業

まあ、これはタイトル通り。

少子高齢社会で、ライトノベルという基本的には中高生をターゲットにした出版物は、明るい未来の見えない商材なんですよね。その中で紙書籍の出版枠を巡って消耗する。

これって効率悪いよなあ、と思います。
才能次第なんでしょうけど、デスゲームの出演者かな?
とか思ってしまいます。

以上、理論編でございました。

FANBOXやTwitterで書いていたものの改訂版ですが、わりと書いていた事が現実のものになりつつある気がします。

よろしければ、次の実践編にもお付き合いください。

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