高宮の履歴書③「保育園の頃、将来の夢を言えなかった」

保育園で毎月、お誕生日会というイベントがあった。
その月の誕生日の子が祝われる会である。
そこでは将来の夢を語るのが恒例だった。

俺はその会で3年間、全くの無言だった。
将来の夢を持っていなかったのか、発言が恥ずかしくて言えなかったのかは記憶に無い。
ただ言ったことは無い。

クラスメイトはケーキ屋さんや花屋さん、お医者さんなど夢を語っていた。
ヒーローものもいた気がする。

昔から思考が施行するタイプであり、今でも変わっていない。
性格診断では、INTP型らしい。
社会不適合者らしい。
コミュ障で大人数が苦手、パリピが苦手だった 。

それは保育園卒業後も、小中高大で変わらず、社会人になっても変わらなかった。
性格とはどこから生じるのか興味深い。

両親についても、父が寡黙な人だった。
子は親の背中を見て育つという。
カエルの子はカエルなんだろうな。

母はパリピ族だったこともあり、妹もそこそこのパリピ族ではあった。
なぜ母似にならなかったのかは少し残念ではある。

結局のところ、将来の夢というものは無い。
やりたいことは多々あるけど、それが将来の夢ということでは無い。
みなは将来の夢を持っている。

はたして夢を持つことは良いのか。
夢を持つことは達成してしまう恐れがある。
達成したら生きる活力が失われてしまいのではと感じてしまう。

つまるところ、夢と目標は違う。
目標とは、体重何kg落とすことや、資格試験合格などをいう。
複数持つことも可能だ。

夢は重いと思う。
夢を達成するとは、ゴールに辿り着くことでは無いか。
そこはかとない不安ばかりが湧いてくるんじゃないだろうか。

要するに俺としては生きる活力がほしい。
将来への漠然とした不安がある。
小説家が自死するブームがあるように、俺もそっちの人なのかもしれない。

そうならないために常に考えて生きている。
自分自身の夢は持たない。
あるのただ、人のために尽くして死んでいきたいものだ。

人の夢は儚いんだよきっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?