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青史探究

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街道と関連する都市にまつわるコラムを集めました。週二回の掲載を予定しています。
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2023年7月の記事一覧

#34 薩埵峠の眺めと由比宿

由比宿 日本橋から数えて16番目の宿場町である由比宿は、1601年(慶長6年)、東海道に宿駅伝馬制度が始められた際に伝馬宿として指定された宿場だが、鎌倉時代から湯居の名で知られた古い宿場だった町だ。 宿場は、蒲原宿からは1里(3.9km)、興津宿までは2里12町(9.2km)の距離にあり、日本橋からは38里21町45間(151.6km)の距離にあった。 1843年(天保14年)の「東海道宿村大概帳」では、宿場の総戸数は160軒、人口は713人(男366人、女429人)あ

【歴史の風景】江戸のファストフードと技術革新

現代に生きる我々にとってのファストフードと言えば、「 ハンバーガー」、「フライドチキン」や「牛丼」、はたまた「たこ焼き」といったメニューが思い浮かぶかと思う(個人的には某店の「ナポリタン」も好きだが・・・)。 参考までに、現代の屋台とも言えるキッチンカーの最近の人気メニューは、「からあげ」、「クレープ」、「ピザ」、「ハンバーガー」、「カレー」だそうだ。 ところで、江戸時代にはファストフードは存在したのだろうか? 江戸の外食事情 江戸の町は、男性の比率が高い都市だったと言

【江戸の知恵】水とリサイクル

水には、「上水」、「中水」、「下水」の3種類があるそうだ。 「上水」は「飲用に適した水を供給する水道」などの水、「下水」は「生活排水や産業排水、雨水などの汚水」などの水。 あまり馴染みがないが、「中水」は「飲用に適さないが雑用、工業用などに使用される水」のことで、公園の噴水などでも使われているそうだ。 ところで、昔の上水や下水はどのようになっていたのだろうか? 「水」で失敗した藤原京 日本初の中国式の都城「新益京(しんやくのみやこ)」藤原京は、694年(持統8年)に「飛