見出し画像

わたし、だいじょうぶ!?・・・と心配になった記憶にない思い出

「○○ねえちゃん」と姉のように慕っている
12歳年上のいとこがいます。
いとこは、すぐ側のおばあちゃん家に
住んでいました。


ノートに英語を書くすがたを尊敬の
まなざしで見つめ、

歌手(この表現が大事(笑))の新曲を
歌って教えてくれる、
そう、なんでも知っている!と
思える頼もしさにうっとりし、

とにかく金魚のふんのようについて回り、
好きで好きでたまりませんでした。



その大好きな姉ちゃんがなんと就職で
東京へ行くことになったのです。
新幹線がまだ走っていなかったその当時、
わたしの住む町と東京は
特急列車で6時間かかる遠い遠い
場所でした。
姉ちゃんは、憧れの東京さいくだで
意気揚々です。
置いて行かれる6歳のわたしの
悲しみといったら・・・
あの頃の気持ち、なんだか
憶えているのです・・・



   ここからは憶えていないこと・・・


わたし、姉ちゃんが東京に行く前日、
お菓子やらなにやらの空き箱を両手にかかえて
いったそうです。


「たかこのだいじな箱だけど、
 ねえちゃんに好きなのあげる」


「大事な箱なのにいいの?」


「いいんだよ、
 すきなのえらんで!」



姉ちゃんは5個くらいの箱の中から
ひとつを選んだそうです。



その瞬間、この世の終わりかのような
わたしの表情を見逃さなかったと言います。


それとはうらはらに
おじいちゃんとおばあちゃんの
笑いをこらえるのに必死の表情も。。


「あっ、やっぱり、こっちがいいなあ」
と言う姉ちゃんにわたしは苦悩の表情で言ったそうです。


「これあげる」


たかこそうそう、
そんなにだいじな箱だったら、
渡したくないほどにお気に入りの箱だったら、
なんで持って行った、、、
そこで困らせてどうする、、、、


わたし、だいじょうぶか、、、
それでいいのか、、、



その箱のこと、わたしはまったく記憶にない
のです。
姉ちゃんは、おばあちゃんから買ってもらった
生け花に使うはさみと嶮山をいれて今でも大事に
してくれているそうです。
紐が切れたけれど直したら別のものになって
しまう…とそのまま使っているそうです。
どこまでも優しい…



銀色の箱、りぼんで結ぶことができたそうです。
そこが気に入っていたのかな??
6歳のわたしに聞いてみたいです・・・



でもね、姉ちゃんが覚えていないことも
あるのです。



東京から初めての帰省のとき、
わたしに買ってきてくれたお土産です。
金色のハート型の小物入れ。



2人の思い出を繋ぎ合わせていくと、
銀色の紙箱を清水の舞台から飛び降りる気持ちで
プレゼントしたわたしに金色のハートを贈って
くれたのでしょう。



お互いにプレゼントしたものは憶えておらず、
プレゼントされたものは憶えているという・・・



でもやっぱり・・・



わたし、だいじょうぶか。。。
それでいいのか。。。


     ですよね~~~

気持ちよくこころよく
贈り物ができていなかった6歳のわたしを
50年後に知りました。。。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?