アメリカで下道ドライブの醍醐味を味わいながら、この旅で初めての大勝利。Pacific Coast Highway(後編)
最初のエアショー会場だったサンフランシスコでの滞在を終え、次なるお楽しみのために一路ロサンゼルスへ移動開始。相変わらず曇りがちな中、実は初めてなアメリカでの運転にも慣れ、5日目もひたすら走るドライブDay。
サンフランシスコとロサンゼルスのほぼ中間点、いくつかのホテルと飲食店があるだけの地区(町ですらない)、サンシメオンで迎える朝。
今日もお約束の曇り空スタート…。
まぁ、すでにPacific Coast Highway最大のハイライトであるモントレーやビッグサーは曇り空の下を通過しちゃったし、今さら曇ったところで失うものは何もない…(涙)
というわけで、今日のルートの前半はこれといって見どころもなく写真も撮ってないという雑なドライブだったけど、1ヶ所だけ覚えておきたくてメモっていた町がありまして。
それが、グアドループという田舎町。
なんかアメリカ開拓時代を思わせる、素敵な雰囲気の町じゃないですか!?
車を降りて散策したい衝動にも駆られたものの、昔っぽい=貧困街という可能性も捨てきれず、通過するに留めたんだけども…。
もう一度、2枚の写真をよく見て欲しいんです。
1枚目の左側に写ってる時計には「KATAYAMA」、2枚目の右側にある建物は「MASATANI'S MKT」。そう、どう見ても日本人の名前!しかも2つも。
後で調べてみると、1900年代から日本人入植者がテンサイの栽培を始めて、1930年代には「レタスキング」と呼ばれるほどの人が生まれたり、子孫の日系人が劇場を建てたりと、ずいぶんと日本にゆかりがある町だったようで。
こういう発見ができるのが、下道ドライブの醍醐味。
ちなみに、実際はとても安全な町らしい。
まぁ、日本の田舎と同様、誰が何してるかみんなが知ってるような町なんだろうね。
サンフランシスコから500km以上走ってきて、ガソリンの残量が残り60マイル(100km)ほどに。ロスまで250kmぐらいあるから、そろそろ給油しよう…。
そう思った場所が、ロンポクという街。
ここにはヴァンデンバーグ宇宙軍基地がありまして…アメリカ軍が人工衛星の打ち上げや弾道ミサイルの試射をする場所。どっかのアレのアメリカ版w
そんなことはさておき、ガソリンスタンドへ。
アメリカの場合、Googleマップでガソリンスタンドを検索しただけで金額も出てくるから便利〜。
当然、アメリカもセルフスタンドだから、日本と同じようにクルマを止めてフタ開けて、給油機にクレカを入れて油種を選択すれば、サクッと…。
「Zip Code??」
それが郵便番号の意味だとは知ってるけど、どこのを?
まさか日本の郵便番号を入れてもダメだろうから、なぜかいまだに覚えてる、28年前のアメリカ在住時代の郵便番号をとりあえず入れてみるw
「See the cashier(レジに行け)」
なんだろう、Wiseのデビットカードがダメなのかな…と、日本のクレカを入れてみるも、同じように郵便番号を聞かれて弾かれる。
諦めてレジへ。なーに、この僕はドイツやイタリアでもガソリン入れたことあるし、「何番の給油機でヨロシク〜」と伝えるだけだし。
両腕にどでかいタトゥーの入ったイケメンのオネーサン(実際そういう感じw)にちょいビビりつつも…
た:「4番の給油機で入れたいんだけど、レジ行けって出てきて」
店:「どれだけ入れたいの?」
た:「え?満タン」
店:「量を教えて」
た:「量が必要なの?えっと…(混乱)」
(カローラのタンク容量はたぶん50Lぐらい、500km走ったでしょ、燃費は15km/Lぐらいか?てことは35L…いや待て、ガロンか。1ガロンは3.8Lだから…1ガロン6ドルぐらいで…)
見かねたオネーサン、4番に止めてあるカローラを見て、
店:「もう空になりそう?60ぐらいにしとく?」
た:「へ?60ガロン(227L)??」
店:「ドルよ」
た:「あ、デスヨネ〜」
店:「60ドルいかなかったら、それはカードに返金されるから」
た:「オッケー!ところでトイレあります?」
店:「ないわ。裏のスーパー行って」
た:「さんきゅーべりまっち、ぐっばい」
後で知ったけど、タッチ決済非対応の古い給油機は、クレカの本人確認で住所地の郵便番号の入力が必要らしく。アメリカ発行のクレカにはその情報が入ってるけど、日本のクレカにそんなのはないから、レジに行くしかない。
大都市の大手ガソスタ(シェルとか76とか)はタッチ決済対応のところもあって、それならApple Payでいけます。
しばらく内陸を走っていたPacific Coast Highwayも、サンタバーバラが近づいてきたところから、再び海沿いに。
さらに走ること1時間…。
macOS 13のコードネームにもなったベンチュラ、そしてマリブやサンタモニカといった、ロサンゼルス手前のビーチリゾートエリアに入ると…。
ようやく晴れた!
日本と違って、地理によって気候がどう変わるのかとかさっぱり分かってないけど、ここからはずっと晴れ。ようやくって感じですわ…。
ちなみに、さらっと書いたけどその「リゾートエリア」は100kmあるw
このあたりは海もキレイなんだけど、山側も国立保養地になっていて、さながらミニ・ビッグサー。伊豆半島みたいな感覚(雰囲気は全然違うけど)。
そんなわけで、ほんの5kmぐらい山に入る道を走るだけでも、いい感じの峠道&絶景。下り坂で目の前に広がる景色は、まさにDive to Blue。
10kmぐらい離れた別の道を上って、山側を向いてみるとこんな感じ。
こんな道でも制限速度は40マイル(64km)とかだから、そりゃ1.5L・131馬力のNDロードスターじゃ物足りない。輸出モデルが2L・184馬力なのも納得というもの。
ちなみに、このカローラも安物グレードだろうけど、それでも日本には設定のない1.8Lモデルっぽい。
しかし、こういう道でも路肩にハイウェイパトロールが潜んでいて、日本と違ってパトカーの中からスピードガンで計測して、アウトだったら追いかけてきて御用…だから気が抜けない。
峠写真を撮っていたのはマリブの手前で、目的地のロス(というかロングビーチ)まではあと100kmほど。
しかし、この時点で15時過ぎで、どういうわけかアメリカの帰宅ラッシュアワーはこれぐらいの時間から始まる。
さすがのGoogleマップといえども渋滞に突っ込むルートを提示してきて、まだ2時間以上かかるみたい。
で、トイレに行きたい。
相変わらずサービスエリア的なのないし(メインの高速じゃないから)、目に付くのは駐車8ドルのState Beachばっかだし、どうしたもんか…とクルマを走らせていると、長大なビーチが見えてきた。
等間隔にライフガードの小屋が建っていて、路上駐車も多数。
そしてあれは、仮設トイレ!!
駐車禁止とは書かれてないことを確認して、ありがたく無料トイレを使用。8ドルState Beachのきったねートイレと違って、普通に普通。助かるー。
素敵なマリブ・ビーチを便利トイレみたいに言って、本当にごめんなさい。
再びクルマを走らせると、いよいよサンタモニカの中心部へ。
高速道路を走ってるだけなのに、アメリカのパリピ&陽キャの香りが漂ってくるw
ロスの中心部から距離にして20km。日本で例えるなら、お台場と江ノ島を足して2で割ったような感じかな。
さぁ、ここからは市街地。運転の難易度が上がるぞ…。
と気合いを入れたところで、さっそく高速出口の手前100mのところにあった、サンタモニカビーチの駐車場への分岐に吸い込まれるw
この分岐はさすがにトラップすぎて、みんなやらかすのか、料金所のおばちゃんに「分岐間違えちゃった」と伝えると、すぐに「突き当たりを右で出口よ」と案内してもらえて、元の道に戻るための案内も充実。
ここからは高速の大渋滞を避けつつ、かといって細かすぎる街路に突っ込まないようにGoogleマップの案内を適度に無視するという、ハイレベルなカーナビドライビング。
イタリアの水の都・ベニスの名を冠する、気取った地区をノロノロと走り抜け、そこからロサンゼルスのベッドタウン的なエリアに入り。
そんなこんなで、街中を10kmチョイ走ってから、再び高速へ。
最混雑エリアは回避したものの、それでもまぁまぁな渋滞にハマりながら、ようやく流れがスムーズになったのはラスト20分ぐらいかな。
出口の手前1kmぐらいから空いてる車線があって、「あとはここを出るだけ〜♪」と思ったら出口車線、しかも目的の出口はさらに300mほど先の別のとこ…とかいう洗礼を受けつつ。
最後はロングビーチの港湾地区を見下ろす橋を気持ちよく渡りながら、なんとかロングビーチまでやってきた。
宿の入口を通り過ぎるも、シンプルに1周してリカバリー。無事到着!
都会だけあって、敷地内の無料駐車場の台数は部屋の数よりも少なく、ここに止められないとプラス23ドル(3500円)の出費になるところだったけど、ラスト3台ぐらいの空きがあって節約成功。
18時ジャストにチェックイン。
しかし、今日の戦いはまだ終わらない…。
ロングビーチはその名の通り立派な砂浜があって、治安もいい。
この日の日没時間は18:24、晴れてるけどほどよく雲もあって、まさに「マジックアワー始まるよ!」という感じ。
それなりに疲れてるから、部屋のベッドにゴローン!
…したい気持ちを押さえつつ、最小限の装備だけを身につけて、貴重品は金庫にしまって、再び外へ。
ビーチまでは徒歩10分。でも街並みもキレイだー!
治安がいいとはいえ、日没後の行動なので慎重に。
街の様子や歩行者の存在など確認しつつ。
今ひとつ言語化できないんだけど、こういう雰囲気の街好きなんだよねー。
まだ周辺散策をしてもいないのに「住んでみたいな」とか思っちゃう。考えてみれば、ジョージアで住んだバトゥミもこんな感じだったな。
全長3km、奥行きも100m以上はありそうなビーチには遊歩道とサイクリングロードが整備されていて、ジョギングや散歩を楽しんでる人もたくさん。女性単独も普通にいるから、治安の心配はなさそう。
来る途中に通ったサンタモニカや、ロングビーチのさらに奥のハンティントン・ビーチを含めると、もう東京におけるお台場が、九十九里浜の規模感というめちゃくちゃなスケール。
おまけに、数百m沖には油田があるとか、もう何が何やらw
こうして、今回の旅で初めて、満足いく形で1日を終えたのでした。
ここからは旅も中盤戦。
明日から最終日まで、ミリタリー&ドライブ趣味が爆発し続けます!
次回のnoteもお楽しみに!
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