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好きなことを仕事にしたし、仕事が嫌で辞めもした。でも、好きなことは好きなまま。

「好きなことを仕事にすべきか」は永遠のテーマで、僕自身はそれを実践してきたし、そうしないととても続かないと思ってるけど、note作家・猫山課長のツイートに心を突き刺された土曜日の朝。

この「好きだからこそ手を抜けない」という発想…。

好きなことを仕事にしてきたと自負してるけど、恥ずかしながら僕はそんな発想に至ったことはなくw



もちろん、業務内容が同じでも、好きなことに関する仕事の方がテンションが上がって意欲的に取り組む一面はある。

ミリオタが防衛業界の一角に入社した結果、新人の最初の役割としてお馴染みの電話番にしても、「第1護衛隊群副官の〇〇さん」とか「横須賀地方総監部契約課の〇〇さん」からの電話には心躍ってたしw

(※新人でこんな部署名を正確に取り次げるやつはそうそういない)

そうはいっても、毎日の電話対応から得られる喜びなんて1週間もすれば日常になり。

しばらくして自衛隊案件の担当になると、

  • 横須賀基地の護衛艦に出向いて打ち合わせ

  • 建造艦の視察に来る自衛隊高官の対応

  • 新型艦の試験航海に乗艦

などなど、一般のミリオタではとても経験できないようなことにウハウハしてたけど、やがてそれも日常になる。


こうして徐々に飽きてはいくし、仕事の中では嫌なことも起きる。

それがエスカレートすると、好きな対象と嫌な仕事が結びついて「好きだったことが嫌いになる」ことだってあるかもしれない。

これを理由に「好きなことは仕事にすべきではない」という考え方に至るのは分かる。


でも、そうではなく「好きだからこそ手を抜けないのがイヤ」ですよ!?

あまりに衝撃的で、引用リツイートでいろいろ聞かせていただいたら…。


もうね、あまりに思考が違いすぎてwww

たしかに、僕がミリタリー業務に浮かれていた頃の上司も「ヒマになると転職とか考え出すからな、ガハハ!」とか冗談半分に言ってたから、これは真理なのかもしれない。

(いや、僕は猫山課長のこと好きだけど、だからといって常に絶対真理の正解だとは思ってないし、ヨイショしたくてこう書いているわけじゃない)



ただ、そもそも論として、転職を考える余裕すら奪うほどの激務に、どうして好きでもないのに耐えられるのか。

いくら激務といえども、新聞や電車の中吊り広告からはどうしたって転職の広告、残業規制や過労死といったニュースは目にするわけで、「もっと楽になるかも…」とか考えちゃわないのかな?

実は本人も気付いてない内にゾーンに入ってて仕事が好きになってるか、激務に耐えて頑張れる何らかの力があるのか。

このどちらかなしに成立するとはとても思えないし、猫山課長が「歯を食いしばってnote書く」を実践できる源はここにあるんだと思っていたのですよ…。

(そして僕は、歯を食いしばれる力を養うためにnoteを書いてる)


というか、転職どころか新卒採用のエントリーシートや面接で、好きでもないことに関する仕事に対して、どうやって熱意を見せるのか?

もちろん、「御社の製品が大好きです!」という学生は、会社にとっては「大切なファン」に過ぎず、これだけじゃ社員として採用するメリットはない。

でも、「こんな経験とスキルを持つ僕を採用しないのは損ですよ?」と売り込むにしたって、スキルが同等で「好き」からくる熱量がある学生とない学生がいたら、やっぱりある方が強いと思うんだよね。

自己アピールの観点からも、会社側が感じる魅力としても。



僕は就職活動したときは、大体こんな感じで志望度が分かれていて…

  • S:兵器メーカー(戦車・戦闘機・護衛艦といった完成品)

  • A:兵器メーカー(武器や搭載機器)

  • B:航空会社、自動車メーカー

  • C:航空機や自動車部品メーカー、鉄道会社、PC関連メーカー

Sなら文句なしに志望動機と自己PRを絡めて語れた。各社の製品や得意分野も趣味の一環として把握してるから、それに合わせることも簡単。

Aもいけるっちゃいけるけど、「でも完成品メーカーの方が志望度高いですよね?」と突っ込まれたら苦しい。

さらに、防衛事業はその会社の事業内容のごくごく限られた領域であることがほとんどで、配属される可能性もかなり小さいから、会社からもあまり求められてない。

Bになってくると、説明はできるもののどうしたって熱量は下がる。さらに、一般的にはこっちの方が人気企業なわけで、学歴やキラキラ経験で勝ち目がないと感じることも多く、そこでも冷めちゃう。

唯一、トヨタ子会社でレース関係(TRDとか)や特装車(高機動車とか)を専門にやっている、トヨタテクノクラフトは2次面接まで行ったのが僕らしい…(でも防衛メーカーから内定いただいたからそこで辞退)

Cは、もはや「説明会&筆記試験通ったはいいけど、面接で話すこと思いつかない!ww」となって、ほぼほぼ辞退w

が、実は最初に内定をいただいたのもこのグループで、きっとあなたもこの会社のPC周辺機器を使ったことがあるはず…という2大メーカー。

情熱はさほどないけど、家電量販店でこの2社の売り場を見比べて研究して、自分なりの提案やら疑問をぶつける作戦が功を奏したのかな…?

まぁ、そのプロセスはちょっと面白かったし、ひょっとすると「好きなこと」じゃなくてもやっていける仕事だったのかもしれない。

もっとも、下積みのうちはそんな仕事ではなく、量販店に派遣されて「何かお探しですか〜?」をやるんだろうから、まったくやりたくないけどw


そんなわけで、新卒の就活の時には、「好きなこと」を抜きにした仕事なんてとても考えられなかったんだよね。PC周辺機器にしたって、多少は「好きなこと成分」が入っていたわけで。

そんな就職活動から15年以上が過ぎた今でも、じゃあ銀行に入社するための志望動機を書けるかというと…絶対無理www

金融業界は割と人気な印象あるけど(理由はたぶん「安定&高給(のイメージ)」)、学生たちは一体どんな理由を挙げて志望し、会社は何を基準に採用するのか、いまだに理解できないもん。

まさか金融商品を熟知してるとか、それに救われた経験があるとも思えないしw



とかなんとか言いつつ、実は2度目の転職では監査法人のバックオフィスという、一見「好きなこと」とはかけ離れた仕事をしていた。

でも、あれは会計士に対するアサイメントの平準化業務という、かなりピンポイントな業務に対する求人で、データを元に戦略を組み立てる行為は好きだったから、好きなことといえば好きなことだった。

前回のnoteで紹介した、しんどいけどやり切った仕事にも通じる部分があったし。

もちろん、それまでの兵器LOVEは「仕事で扱う製品が好き」なのであって、「自分の仕事そのものが好き」なのとは違う。

これは明確に区別するべきだけど、どっちにしても「好きなことを仕事にすべきか」という問いに関しては、やっぱりYESの理由になると思う。

(実は監査法人側が求めていたのは、会計士やパートナーと寄り添ってコミュニケーションを取りながら稼働を調整する行為で、データ主体のドライな考え方の僕とは正反対だったけど、定量的な実績を出せたのは僕だった…というのは別の物語w)


そう、2度目の転職と言いました。

つまり、好きなことを仕事にしていたにも関わらず、その仕事を辞めている。

Why??

1回目は、海外の軍事情報会社からの引き抜きで、ミリオタ的には「ここから声がかかるなんて胸熱すぎる!(おまけに高給)」という感じで、いわば「もっと好き」だから転職を決めたようなもの。

でも、そこは外資ならではのノルマがあって、いわゆる売り込み嫌いな僕には到底耐えられず、「好きな分野の胸熱な会社だけど、それでカバーできないほど仕事が嫌」という状態に陥って、逃げた。

ただ、それもあくまで仕事が嫌なのであって、兵器LOVEが失われたわけではない。

その業界にいたことで得られていた役得を失ったのは残念だし、今でも兵器LOVEだから、一般人としてできるミリオタ活動は継続してる。

つまり、僕は「好きなことを仕事にする→好きな分野の嫌な仕事をする→辞める」という流れは経験したものの、「好きなことが嫌いになる」まではいかなかった。

毎週のように仕事として護衛艦に乗っていた頃は、どこかで護衛艦を見かけてもまったく感動しなくなったけど。

そういう仕事を辞めて10年以上が経った今は、どこかで見かけたらテンション上がるし、わざわざ基地まで見に行ったりもしてるしね。



まとめると…。

実は、何ひとつ結論は出ないと思っていて。

というのも、僕というn=1だけを考えるなら、そもそも「好きなこと」じゃないと仕事を得ることすらできないと思ってるし、好きなことを仕事にして、その仕事が嫌になっても、好きなことは好きなままだった。

これは確実に言えるし、そういう人もたくさんいるはず。

だけど、毎年の新卒採用者にしても、今働いている人たちにしても、好きなことを仕事にしてる人は少数派で、何か別の動機によって働いている人がほとんど。

猫山課長に関しては、思考停止が良い方向に働いたと思うんですけどねww


あなたは、どうしてその仕事をしてるんですか??


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