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社交不安症の認知行動療法

先週、放送大学で「社交不安症の認知行動療法」の授業を受けました。
放送大学は通信制なのでテレビ・ラジオ(学生はネットもあり)受講が中心ですが、スクーリング的な「面接授業」も充実していて、2日間で5,500円と破格の授業料で受講できます(一般企業主催のセミナーだと10倍くらいかかりますよね)。

今回は事前にテキスト(自分で治す「社交不安症」)を購入し、目を通した上で受講しました。
まずは、認知行動療法とはどういうものか、そして社交不安症とはどのような症状で、どう治療していくのかをステップを踏んで学びます。認知行動療法(CBT)はエビデンスに基づく治療法(EBM)であり、薬物療法と同様に診療報酬の対象となります。体系がしっかりと整っていてプロトコル(手順)に沿って進めていきます。

個人的に感心したことは、セルフ・ヘルプ(患者が一人で取り組む)形式もしっかりとしていることです。未発症や症状の軽い人はセルフ・ヘルプを中心に行い、症状が重い人はグループCBTや熟練した治療者と1対1で取り組む個人CBTとなります。うつや適応障害になりそう/なりかけの人はセルフ・ヘルプCBTを実践することで予防にも繋がります。

今回は社交不安症をターゲットにしたCBTのため、受講者は自分の不安と向き合い、どのような状況下で不安になるかをイメージしながら学習を進めました。
社交不安症の重症度評価にはLSASという評価尺度がよく用いられますが、その診断結果として「中等度」となる人は普通に生活している人でも結構多いようです。社交不安症と診断される人はアメリカ精神医学会のDSM-5などが診断基準の根拠とされますが、その基準を満たさなくても社交不安傾向の強い人は数多いということになります。

CBTは「認知(考え)」「感情」「行動」の3つを考えることが基本となります。同じ状況に置かれても、人によって捉え方が異なれば生じる感情も異なり、行動も様々ということです。「どうせ頑張っても駄目だ」「今度失敗したら、もう終わりだ」「完璧でないと無意味だ」「他人は絶対に信じない」といった認知の歪みが自動思考となり、感情や行動に影響を与えます。CBTは、元となる捉え方(考え方)に働きかけ、行動変容を促す方法です。
今回は社交不安症をターゲットにしたCBTのため、受講者は自分の不安と向き合い、どのような状況下で不安になるかをイメージしながら学習を進めました。人前が苦手とか人間関係に不安がある人にもCBTは有効だと思われます。

キャリアコンサルタントの資格更新講習でも認知行動療法の活用方法を学びましたが、今回はより多くの時間をかけて理解を深めることができました。
今後のキャリアコンサルティングの一助とできるよう、さらに学びを深めていきたいと思います。

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