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生活者ニーズから発想する健康美容ビジネス「マーケティングの基本」 西根英一 著

ヘルスケア業界って今後の高齢化社会にとってとても成長市場だと思います。

一言でヘルスケアといってもいろいろな業種があって、著者曰くは、治療、予防、健康増進、美容に分かれ、病院、介護、製薬、フィットネス、エステなど無数に業種があります。

つまり、ヘルスケア業界というのはこれからの高齢社会を支える、巨大な成長産業だといえます。

本書はマーケティングの観点からヘルスケア業界でどうビジネスを展開するかを解説しています。

僕が面白いと思うのは、ヘルスケアのような人の体に関わることって、けっこう科学的な根拠とかそういうのが重視されがちです。でも、消費者にとっては、体にいいものであっても、そこになんらかの個人的な趣向が入ります。

栄養ドリンクなんか分かりやすいですね。コンビニに行くつも陳列されているドリンクのどれを選ぶかって、その人の趣向、味とか見た目とかメーカーのイメージとかで選んだりします。

つまり、科学的な効能は同じであっても、それ以外の選択の要素があるってことなんです。

著者はこれを感覚品質とか情緒的ブランドと読んでいます。機能と感覚の2つが購買の決定要素になります。

これは、栄養ドリンクだけでなくて、ヘルスケアの商材やサービスの全てにおいて共通だと思います。要は、人を健康にするという機能を徹底的に高めつつも、一方で感覚的に選ばれるブランドを高めないとこの業界で勝てないということです。

ヘルスケア業界にいる人はわかると思いますが、根本的には自分の商材の人を健康にする機能を高めることが大事です。でもどこかで消費者に選ばれる感覚的なものを工夫していく必要があると思います。

これからヘルスケア業界で頑張ろうとしている人全てにお勧めしたい本です。ぜひ読んでみてください。

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