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沿岸リスクをマネージメント -Hohonu-

スタートアップ名Hohonu  ホホヌ

何をやってるの? 低コストIoTセンサーで海面上昇率などの沿岸データーをとり、そのデーターを環境保全・災害対策目的で政府に提示したり、海面上昇によりリスクを伴う土地を保有する不動産にうったり、保険会社にうったり

カテゴリー  環境・サステイナブル いわゆるSDGsってやつですね。

業種 強いて言うならIoTセンサーとデーター

IoTとは:Internet of Thingsの略。今更ですが、要するに、スマフォとか、無いものを教えてくれる冷蔵庫とか、そのモノ自体がネットに常時接続されててデーターを蓄積・分析・活用してくれるモノ。以下Wiki略:モノのインターネットとは、様々な「モノ」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みである ※Wiki参照 

サイズ プレシードとシードの間ぐらい 

シードとは:まだコマーシャル化できておらず、PoC(Proof of Concept: プロトタイプで実験や市場調査を行うこと)の段階で、そのための資金調達や共同研究・事業者を探しているという感じです。他にはプレシードとかシードの後のシリーズAなんて言葉もありますが、その説明はまた今度機会のある時に。今知りたい方はKigyo.TVさんて上手に説明しているページがあったのでこちらまで。ちなみにこの規模感が国、業種、会社間などで違ってきますので明確な境目がないのが特徴。(あくまで私的感覚)

取り組んでる課題 みなさまご存知のとおり、地球温暖化で、南極や北極の氷がとけ、地球の海面高度が上昇中しております。
海があがってくると、沿岸にある土地や島が海に沈むわけで、その土地にすんだり、ビジネスをしている人は何十年後にその土地がなくなるというリスクを抱えています。”エヴァンゲリオン”シリーズなんかは地球の温度が上がって(これはセカンドインパクトでだけど)日本に四季がなくなり、ずっと夏という設定ですよね。昔でいうとケビン・コスナーが出ていたウォーターワールドとかも、土地がなくなり、みんな海の上で暮らしている‥みたいな)

なんと、2045年までに海面上昇に伴い失われてしまう土地の価値は$100ビリオン(1000億ドル、$1/100円換算で10兆円ぐらい)になると言われています。(あくまで予想です。それと海面上昇により起こる洪水なんかの被害も入っています。)
「なーんだ。あと25年もあるじゃん」と思っているあなた!!!もちろん人生50年ーーなんて思ってる方には(今時いるのか‥?)25年ってかなり長い年月かと思われますが、ローンを組んだり、保険を組んだりするときに30-40年なんて単位はザラなわけで・・。そうなると、今、家や工場をたてたり、そこに何か開発しようと思っている人にとっては「2045年にその土地がどうなっているか」というのは大事な情報なわけです。そこで大事なのがその地域に基づいた沿岸データというやつやらなのですが‥。
これがどっこい、なかなか無いらしいんです。地球や国規模で、なんとなく「うーんと1度ー2度ぐらい上がると思います」とか「だいたい10cmぐらいですかね?」的なデーターはあるらしいのですが、実際、どこの地域で、どれだけのリスクがあるかという詳細データがなかなか難しい。というかデーターをとるのにかなり高くて手間...。

まあ、そうですよね。人間ってそこにそのリスクがあるのを分かっていても、目の前で実際起こってみないと、実感もわかないし。そこに高額な投資と時間をかけるって決めるのってなかなか難しいと思います。実際コロナなんかも「すんごい疫病そろそろくるぞーーー。」とか言われていたのに、それに準備してた人や企業なんてほとんどいなくてこうなったわけです。

そこでこのHohonuは安価なIoTセンサーを使って、お金と手間をかけなくても地域ベースの沿岸データーを少しずづとっていこうじゃないか!というスタートアップなのでございます。安かったり、初めるのが簡単だったら、「じゃあやってみようか」ってなりますもんね。

ニーズ・相性のありそうな企業や市場 技術はIoTセンサーですけど、売っているのは”データ”ですよね。”データ”=未来の予想=”リスクの計算を正確にできる。”ということでやはり保険会社や不動産・開発業者にニーズがあるのではないでしょうか? あとはもちろん”災害対応”なので、政府機関などの需要も高いと思います。Hohonuは実際、NOAAとの共同PoCをメインランドではじめているようです。

NOAA (National Oceanic and Atmospheric Administration):アメリカ合衆国商務省の機関の一つ。海洋と大気に関する調査および研究を専門 ※Wiki参照)

それとこれは、企業や投資目的とは離れますが、環境調査において一番問題なのが、「目に見えにくいので、認知されにくい。そのためロビー活動やインフラ投資が回って来ず高額になりやすい」ということらしいのですが、こうやって安価なセンサーで実際自分が住んでいる沿岸でのリスクをみることができたら人々の取り組みも変わっていけるのではないでしょうか?

トレンドや競合等 日本でも最近SDGsというのがトレンドなので、ホットな業界というのは確かです。ただ、実際にそこに投資家を集めて、マネタイズして、利益をえて、投資家にリターンする。というのなかなか見えてこないのは、他のSDGs系スタートアップと同じかと思います。

SDGsとは:Sustainable Development Goal (持続可能な開発目標)。目先の利益だけにとらわれず、地球が永遠に持続可能にしていくために開発していきましょう。というゴール。うまく説明できる自信がないので、もっと知りたい方はユニセフが上手に説明してますのでここからどうぞ。

そしてホットな業界なだけに、競争相手もたくさんいます。私が調査しただけでも、オーストラリアのSENSCITY 、Costal Risk Consulting  ちょっとお角は違うけどTomorrow.ioなんて会社をみつけました。ただし、どこもまだIPOしたりしているところはなさそうなので、将来の成長を考えるとまだレッドオーシャン感はないと言う感じです。

レッドオーシャン:ブルーオーシャンの反対。まさに血で血を争うような競合他社がひしめき合い、スーパー激しい市場状態のこと。日本とかだとSaaSとかはイマココかな。もっと知りたい方は My ナビニュースさんのこれをどうぞ。

アメリカはでっかいんで、沿岸部分に触れている地域の割合が少ないことを考えると、ハワイや日本のような島国に需要のあるまさに”アイランド・スタートアップ”なのではないでしょうか?

私の感想 若い!というのがイメージです。ハワイのスタートアップって結構ご年配の方多いんですが、(もちろん年配の方が新しいことにチャレンジするのは良いことです。)Zoomでミーティングして、画面に出てきたときに、思わず「あ。。化粧ちゃんんとしとけばよかった‥」(←ご年配の方ごめんなさい(笑))と思ったのをここで正直にお伝えします。私がはなしたのはCOOのKevin Muraiさんという方なのですが、説明もすごく丁寧にわかりやすくお話してもらいました。CEOの方も21年間海洋モニターで経験のあるハワイ大学の教授とのことです。ちなみに”Hohonu” って”Deep, Profound” = 深いって意味らしいです。

英語だけどYoutubeもあったので、気になるかたは是非ご覧になってみてください!

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