自分の心は騙せない。実力のない自分を偽って虚勢を張り、斜に構えた社会人一年目
久しぶりにnoteを書こうかなと考えていたら、ちょうど「#あの失敗があったから」という過去の失敗談を応募するキャンペーンがあることを知った。
挫折というか後悔というか、所謂「失敗」にあたる経験は山のようにしてきたので、応募をしてみることに。
どんな経験があったかな～と過去を振り返ろうとすると、真っ先に思いついたことが一つあった。今でもかなり後悔をしていることだからである。
斜に構えたダサい社会人
それは、特に社会人一年目の時、仕事ができないくせに「斜に構えていた」ことだ。
思い出すだけでも恥ずかしいが、当時の自分は「できる奴だと思われたい」「バカだと思われたくない」という気持ちが先行し、自分の実力のなさを虚勢を張って隠す実にダサいビジネスパーソンだった。
この精一杯の虚勢は、仕事の場でもそうでない場でも、様々なシーンで症状として出ていた。
具体的にはこんな感じだ。
◆会議の内容を半分も理解していないのに、分かったフリをして何も発言しない
◆「何か質問ある？」と聞かれても、『ダサいと思われたくない』から「大丈夫です！」と二つ返事をする。
◆会議や研修中にメモを取らない。
◆必死にやらない。余裕でできそうな素振りを見せる。
◆英語が全く話せないくせに、「日常会話くらいは…」と虚勢を張る。
◆大して興味もなく、お金もないくせに、ブランド物にしか手を出さない。
まじでダサくてカッコ悪いビジネスマンだが、これら精一杯の演技によって、相手を騙せていた部分も多少はあるかもしれない。
でも、一つだけどうしても騙せないものがあった。
それは、「自分の心」だ。
当時から、自分だけは気がついていた。とってもモヤモヤしていた。
本当は「理解できなくてめっちゃ悔しい」「何であの時勇気出して質問しなかったんだろう」と感じていた。
そして、「自分は全然実力が足りていない」ということも身に染みて分かっていた。
でも何故か当時は、それを”恥ずかしいこと”だと思い込み、何も行動していなかった。とってもモヤモヤしながら……
一人の男との出会い
しかし、社会人2年目の冬、ある一人の男との出会いが、自分の思考を180度変えてくれることになる。
その人物の名前は、Horece Luke。
二輪のテスラとも呼ばれている、台湾の「Gogoro」という会社のCEOだ。このGogoroは現在ユニコーンの1社になっている。
今はオープンになっている情報だから問題ないが、2017年に住友商事がGogoroへ出資した際に、自分はプロジェクトの担当をさせてもらっていた。
経験したこともしないデューデリジェンスをするために先輩2人と台湾へ飛び、Horace社長や他の役員の方々へのインタビュー、現地の視察などを必死にこなしていったのだが、最も感銘を受けたのはHorace社長の情熱だった。
彼は、住友商事に認めてもらい、出資をしてもらうために死に物狂いだった。自分自身をさらけ出し、何一つ取り繕うことなく、全力の自分を我々にぶつけてきた。
Gogoroを心から愛し、Gogoroの人材や技術力に相当の自信を持っていることが、何も知らないペーペーの自分にもビシビシと伝わってきた。
また、「こういう会社に出資すべきなんだな」ということも学ぶことができて、とても貴重な経験となった。
そして、台湾で過ごした数日を経て、ようやく気が付いた。
「こんな凄い社長が死に物狂いで仕事しているのに、何で自分は斜に構えてるんだ？？」
「俺が一番ダサくて、何もできないビジネスマンだな……」
台湾から日本へ帰国する飛行機の中で、自分の中で何かが目覚めたことをはっきりと覚えているし、日本にいる上司に上空から「絶対にGogoroへ出資すべきです！！」と力強くメールをしたことも覚えている。
台湾🇹🇼での経験を糧に
結局、情けない自分に気がつくのに約2年もかかってしまったが、これをターニングポイントに、仕事に対するマインドは完全に変わった。
会議で発言をしないのであれば出席しない方が良いと思えるようになったし、当たり前だが、必ずメモも取る。
強がらずに、分からないことは「分からない」、できないことは「できない」とハッキリと言うようになった。
自分の可能性を少しでも広げ、発信力を鍛えようと思い、Twitterを積極的にやるようになった。
その後、noteも書くようになった。
そして何より、虚勢を張るのではなく、真の実力を付けるために、猛烈に勉強をするようになった。
おそらく、受験勉強をしていた頃よりも、今の方が遥かに勉強量は多い。
「マインドが変われば行動が変わる」とはまさにその通りで、その後、成果も評価も大きく変わっていくことになった。
今、入社したての自分に何か言うことができるならば、思いっきりビンタをして「目を覚ませ！！！」と言ってやりたい。
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