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チームのありたい姿を作る:チームアライアンス

プロダクトゴールとしてプロダクトのありたい姿を定義し、チームがそのビジョン実現に向かうミッションを背負いながら一致団結して働くということは多くの人が実践しています。アジャイル開発であればインセプションデッキでそれを決め、それを方針に、時にアップデートしながらプロダクトのコンパスの役割を果たしていきます。ゴールが明確であれば、それに向かっているかどうかはわかりやすくなるでしょう。ゴールめがけて進む中で、より多くを知ったら、それに合わせてプロダクトを変えるか、ゴールを変えるかができからです。

プロダクトやプロジェクトのゴールはあたりまえに設定されます。それはビジネス上の成果に直結するからであり、それにより設定することを求められるからでもあります。では、チームの場合はどうでしょうか。チームとしてのゴール、ありたい姿を共通認識として定義して、それに向かって検査と適応を繰り返すこともプロダクトゴール以上に大切です。チームゴールも共通認識となることでチーム内のベクトルを揃えることができます。だが意外とこの視点でのゴール設定は少ないのではないでしょうか。

今回は4つの質問を通して、チームアライアンスを作る(Designing a Team Alliance)方法を書いていきます。参加者はチームのメンバー全員がベストです。実施は必要性を感じたらできるだけ早くすることがおすすめします。

1.すばらしいチームってどんなチーム?

チームとしてどうありたいかを率直に書き出します。どういう文化があり、どういうマインドセットがあり、どういう行動が取られているといいのか。抽象と具体が最初混在しても構いません。

2.すばらしいチームには何が必要?

チームとしてどういうプロセス、リソース、環境があると良いのかを書き出します。たとえばソフトウェア開発チームなら十分な性能のPCが必要だったり、リモートワークだったらコミュニケーションツールが必要になります。プロセスやプラクティスでいえば、ロードマップの用意や、仮説検証、UXデザイン、スクラムなど色々考えらるでしょう。

3.チームが困難に出くわしたとき、どうする?

突然、困難に出くわすと普段のパフォーマンスを発揮するのは難しいことが多いです。この質問であらかじめ困難に出くわしたときにチームとしてどう動いていこうという指針を立てておきます。そうすると実際に難しい問題にぶつかった時に、ここに書いてあることに立ち返り、冷静に対応できるはずです。

4.すばらしいチームやそのメンバーが果たす責任は?

上記3つの質問に答えた上で、それを実現していく上でチーム全体あるいは個人ごとにできることはなにかを書き出します。すばらしいチームのためのチームとしての責任、そしてそれを支える個人の責任。責任というと重く感じたりわかりづらい場合はそれぞれが「できること」と「やるべきこと」で分けて考えてもいいでしょう。そうするとAs-Is(現状)とTo-Be(理想)の両面で出しやすく現状を理解できます。

チームアライアンスを作る際に

実際にチームアライアンスを作る方法は色々あります。長期間働くチームなら時間をかけてひとつひとつの質問の解答をわかりやすい答えにしていく事が重要ですし、短期間の研修内のチームならそれぞれが大事にしていることを書き出し共有するだけでも良いです。なんなら質問もこの限りではありません。

3日間の社内研修のチームアライアンス。実際ワークで詰まった時に③が効果を発揮していたり、毎日のふりかえりのタイミングで参照してカイゼン案をだすことができていました。

大切なのは、作ったら終わりにせず、定期的に見返すことです。ふりかえりの時に自分たちのありたい姿を見て、どうしたらそれに近づけるのかを考えます。見返してアップデートするむきなおりを合わせられるとなお良いでしょう。自分たちができていることをマークしていくことでチームがありたい姿に確実に近づいていっているというのを視覚的に見えるようにしてもいいかもしれません。良いプロダクトを作ることができるのは良いチームです。チームアライアンスがそのヒントになったら嬉しく思います。

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