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働く人の幸福度を測る、Q12

今あなたは仕事していて楽しいですか?私は昨日書いた目的論の話にも繋がりますが、自分の目的が見定まっていてそれが会社の目的とリンクしているのでかなり充実感を感じています。そういった目的感から働く人の「幸福度」を測ることができますが、これをより具体的な12の質問に置き換えた社員のエンゲージメントを測る「Q12」が存在します。

Q12の質問

順に見ていきましょう。

1. 仕事において自分が期待されていることを知っているか?
Do I know what is expected of me at work?

自分が期待されていることを理解することは大切ですね。自分が期待されていることと違う方向で頑張っても、それがどんなに高いスキルであろうと会社側から評価をしてくれることは難しくなってしまいます。自分も会社もハッピーになる目的を設定するには、この理解が欠かせません。

2. 仕事をする上で必要な物や備品を持っているか?
Do I have the materials and equipment I need to do my work right?

これは職場環境やツールの話ですね。仕事をしたりチームを運営していく上で必要なものが正しく揃っているか。ここで重要なのは会社が事前に揃えてくれているか、ではなく揃っているかです。チームにより必要な備品は当然異なるので、それはチームごとに声を上げねばなりません。その上で会社がその備品調達を快く承認して揃えてくれることが大切です。

3. 仕事において自分が得意なことを発揮する機会が毎日あるか?
At work, do I have the opportunity to do what I do best every day?

人間は自分が自信を持っていることをやると自然とパフォーマンスは上がります。仕事のすべてにおいて得意になる必要はないですし、それはとても難しいことです。ですが、すくなくとも毎日1回でも得意なことを発揮する機会があるだけでもモチベーションは上がるでしょう。

4. 直近1週間で、自分の良い仕事に対し認められたり褒められたりしたか?
In the last seven days, have I received recognition or praise for doing good work.

承認はとても大切です。とくに自分が良いと思った仕事に対して正しく周りが承認することは幸福感を与えます。承認は立場関係なく行われると良いでしょう。その際、一番伝えやすい言葉は「ありがとう」ですね。「すいません」と言ってしまいがちなフレーズも「ありがとう」に言い換えるだけで承認の一言に変わることはよくあります。

5. 自分の上司か職場の誰かが自分を一個人として気にかけてくれているか?
Does my supervisor, or someone at work, seem to care about me as a person?

チームや仕事に対する承認はもちろん大切ですが、一人一人を個人として承認したり、気にしてくれる存在がいることは幸福度にとても影響を与えます。

6. 自分の成長を促進してくれる人が職場にいるか?
Is there someone at work who encourages my development?

日々の成長は自信を与えてくれるものですが、その源となるような存在がいてくれると良いでしょう。成長を与えてくれるのは何も上司だけではありません。部下は新しい視点を与えてくれたり、自分がコーチングをしてともに成長していくことができる素晴らしい存在です。

7. 職場にて、自分の意見が一意見として扱われているか?
At work, do my opinions seem to count.

自分の意見が正しく扱われないと、その人は意見を発することをやめてしまいます。まず傾聴ですね。

8. 会社のミッション/パーパスは自分の仕事が重要であることを感じさせてくれるか?
Does the mission/purpose of my company make me feel my job is important?

これは1番のQにも通じますが、会社で果たそうとしているミッション、つまり提供しようとしている価値が、本当に自分にとっても重要であるかという点です。問題を自分ごとに出来るかという視点でも一度考えてみると良いと思います。

9. 自分の同僚は仕事の質に対し意識しているか?
Are my co-workers are committed to doing quality work.

「仕事なんてテキトーでいいよ」だったり「忙しいから間に合わせればいい」という考えが同僚やチームにあるとそれは瞬く間に広がります。結果仕事の質は悪くなり、仕事への意味が見いだせないことに繋がります。

10. 職場に良き友人はいるか?
Do I have a best friend at work.

仕事終わりや休日に一緒に気晴らしができる存在が会社にいることは良いことです。トピックはなんでも良いと思います。飲み友、社内の部のメンバー、熱くアジャイルを語れる仲間。自分がひとりじゃないということを思い出させてくれる人がいれば良いと思います。

11. 直近6ヶ月で、職場で自分の進歩について誰かと話したか?
In the last six months, has someone at work talked to me about my progress?

これは最長半年周期で正しく評価がなされているかということだと思います。どんなに長くてもそのぐらいのスパンでものごとを見てくれないと、自分のことを正しく見てくれていないんじゃないか、と思ってしまうことがあります。それでも長いかも知れません。四半期ぐらいがちょうどいいような気も。

12. この1年で自分が学び成長する機会があったか?
This last year, have I had opportunities at work to learn and grow.

人間はどんな楽な仕事でも、それを続けていくことで学びや成長がなければ飽きがくるものです。変化がないことは苦痛ですし、だからこそ人はあたらしい表現に常に四苦八苦しているのだと思っています。

Q12をどう使うか

当然、社員のエンゲージメントを測るのに使えます。それが目的で作られているので、このQ12をベースに面談などしてみるといいでしょう。もしかしたら普段気にとめない悩みをピックアップできるかもしれません。

私としては、これを組織のエンゲージメントを上げるための理想の企業像として使うと良いなと考えています。要は、今の自分の組織とQ12を照らし合わせてフィット&ギャップの形式で分析するのです。まず自分でQ12を見て、どこが今の組織に足りていないか、足りていないなら何をすれば満たせるかと試行錯誤できます。そこからはいつもの仮説検証型アジャイルの手で、組織のカイゼンを図っていけばよいわけです。

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