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スクラムの焦燥感に立ち向かう5つの方法

こんにちは。@TakahiRoyteです。
スクラムを始めると、人によってはとても忙しく感じたり、実際に作業に追われて疲弊してしまうことがあります。特に1週間などの短いスプリントでは、プランニングからあっという間に次のスプリントレビューになるので、チームが焦燥感に悩まされがちです。この記事ではその焦燥感に立ち向かうための5つの方法を説明します。

作業時間のキャパシティを出しなおす

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プランニングの2部では、スプリントバックログにあるアイテムからタスクを切り出し、時間を見積もります。その時に自分たちのキャパシティ(総作業時間)に収まるかの確認をするかと思いますが、この時の計算方法が重要です。たとえば勤務時間が9:00から18:00で1時間休憩の場合、単純計算だと1日8時間になります。ですがこの値をそのままキャパシティに設定してしまうとどうなるでしょうか?トイレやコンビニに行く時間は?メールや横やりタスクが来るかも?チームと相談して1日の稼働時間を調整することをおすすめします。私なら上の場合1日6時間で計算して、「その時間分はできるだけ集中して取り組む」とワーキングアグリーメントを作るかな。

次に見過ごされがちなのはタスクのスイッチングコストです。タスクの切り替えはスプリント中かならず起こり、そこには切り替えコストが存在します。タスクスイッチを最小限にしてコストを抑えるための理想は「DOING(WIP)におけるタスクは1人1個」です。ですが現実はそんなにうまくいかないので「WIPは最低限に抑える」というぐらいのルールがチームにあると良いでしょう。DOINGにたくさんタスクが溜まっていくと心理的にもよろしくないですからね。

実作業時間からベロシティを正しく出す

忙しいチームが残業をしてPBIを完了させたとします。次のスプリントプランニングでその残業時間の扱いはどうしますか?残業時間を正しく計算に反映したベロシティにしないと、チームは永遠に残業を求められ続けます。過剰な残業は心身に負担になり、ネガティブなスパイラルに陥るとチームのパフォーマンスは滝のように落ちることでしょう。

滝のようにといえば、ウォーターフォールとスクラムの重要な違いに短いイテレーション(スプリント)の有無が存在します。スクラムはスプリントが短いので、よほど悪いイテレーションがあったとしても次のスプリントかさらにその次に向けて短い期間で改善活動を行うことが可能です。また、プロダクトマネジメントの観点でいえば、スプリントで終わりきらなくとも次のスプリントで出来れば良いので、日付に追われるという感覚は比較的薄いでしょう。ウォーターフォールでは納期が決まってるので、一度の遅れはオーバーワークで取り返すかリスケジュールするしかありません。どちらにせよ、チームの心理的負担は高いのがつらいのは目に見えてます。

ベロシティを下げることを忌避しない

最初に出したベロシティに囚われないでください。ベロシティが下がってきているのであれば、それをキープするためにオーバーワークでカバーするのは正しいやり方ではありません。ベロシティが下がる可能性があることを、スクラムチーム全員が受け入れてください。ベロシティが下がってきている原因をチームで話し合ってみましょう。もしかしたら根本原因に対しては心的安全性が足りなくて言えていないだけかも?そんな時は次に説明する方法などを使ってチームの仲を深めるのも大切です。

コーヒーブレイクタスクを切る

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もともとあるランチ休憩の他に、コーヒーブレイクを取ってみてはどうでしょうか。煮詰まってきたときにブレイクを取れば、みんなで話し合いながら解決の糸口が見つかる、なんてことも。チーム・ビルディングの一環にもおすすめです。また、コーヒーブレイクをタスクとしてボードに乗せることで開発チームは気兼ねなくその時間を過ごすことができます。

定時外作業をバッサリ禁止してみる

定時以外の作業を禁止することで、チームの作業時間は厳密なタイムボックスに守られることになり、ベロシティはより正確な値に近づきます。残業をするスプリントしないスプリント間のブレがなくなる良い手だと思います。POやステークホルダー含めたチーム内での合意はしておいた方が変な気を遣わなくて済むので、事前にしっかりとワーキングアグリーメントに載せておきましょう。

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チームのパフォーマンスを上げるためにも、スクラムマスターはチームの焦燥感や疲れの色を読み取って何かしてあげられるといいですね。

それでは良きアジャイルライフを。


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