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2021年にアジャイルきっかけで読んだ本

DMM Booksが60億の赤字出したセールのおかげで電子書籍が結構増えました。あとは割と古いけどまだ読んでないな、って本も結構買って読みました。その中でも良かった本をタイトル&一言フレーズ&軽い説明で紹介!

アジャイル開発とスクラム 第2版

私の宝物!

平鍋さんから頂いたメッセージ

本書の構成は、アジャイル開発とスクラムの①概要②実践例③考察で進められておりアジャイル開発とスクラムがなぜ良いのかを具体的な事例とともに理解出来る。事例を通してわかることは変化で壁はぶつかるし、時間はかかるがその先にあるチームや組織としての成長は目をみはるものがあるということ。自分自身も挑戦を続けている最中なので勇気づけられる。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の考え方は自分が決められる。

今の自分の考え方に大きな影響を与えている本。人は自分の感情に背いた行動・思考を取ると自己欺瞞の箱に入り、モノの見方が歪められる。だから箱から脱出して自分の良心に従って行動することこそ、自分自身の心の健康と成長に繋がるという話。

自己欺瞞のメタファーである箱という表現が秀逸で、思い出しやすい。自己欺瞞も優越の箱、当然の箱、劣等感の箱、体裁の箱と4つの種類でカバーされていて、モヤモヤしたりネガティブな気持ちの時は大抵どこかに入っている。私はまだ嫌われることや無能に思われることが怖くて体裁の箱に入っていることが多い。あとは当然の箱だなぁ……あとは逆に相手が箱に入っている時にどうすれば抜け出してもらえるかを考えるのにも役立ちます。

続編的な「2日で人生が変わる『箱』の法則」もあって、内容は重複してるので両方読むの面倒ならこちらがオススメ。

NVC

サティア・ナデラが就任直後Microsoft幹部に配り読ませた本。

NVCはコミュニケーションの中で事実の観察、感情の理解、ニーズの理解、それらに基づくリクエストをすることでコミュニケーションを取る。こう見ると簡単そうに見えるけど、難しい。でもこれを体現してきた著者のマーシャル・ローゼンバーグ氏は殺し合いに発展する程の紛争をコミュニケーションで解決してきた。そしてそれは誇張ではないだろうというのがこの本や氏の講義を聞くと見えてくる。

一兆ドルコーチ

Apple, Googleなどの大企業を支えた伝説のコーチ、ビル・キャンベル。

本音で語ること。別に言葉遣いが荒いとか関係ない。会社運営に本当に必要なことは何かをコーチは常に考える。そしてそれは基本「人」がすべてで人が環境を作り会社を作り価値を生み出すのでいかに士気を高めるかがコーチの役目。

ビルが求める4つの資質である知性、勤勉、誠実、グリット(grit:やり抜く力、レジリエンス)は知性以外は誰でも強い意志を持てれば実施できる。それができるかどうかが資質なのか。持って生まれたモノってわけではないと思うので努力が大事だと思う。自分を変えたいって意志は必要。

二宮金次郎に学ぶ生き方

二宮金次郎がなぜ全国に銅像が置かれるような偉大な人なのか。

リーンやTMSを学ぶWWDで源流の報徳思想について教わり、理解を深めるために読んだ本。そもそも二宮金次郎=二宮尊徳ということどころか、学校の怪談として夜歩き出す銅像としてしか認識なかった(ひどい)ので読んで良かった。

Give&TakeではなくTake&Giveの精神こそが報徳思想というのは分かりやすかった。要は今の自分は天地人すべての徳(恵み)の上に成り立っているので、人生を通じてその徳を使い社会に報いるということ。そしてそれは単なる善だからという理由だけではなく実利的・実用的であり、二宮尊徳自身の貢献や渋沢栄一、豊田佐吉など後世のフォロワーが成功していることも証明している。

日本式経営の逆襲

日本の働き方は世界に通用してきた。

本書の主張をざっくり説明すると、リーンやアジャイルなど莫大な利益を生むアメリカ発の概念の源流は日本の働き方にある。日本はモデル化&ビジネス化を進めることで他国に輸出できる底力があるが、そのモデル化&ビジネス化が下手なのでそこを強化していく必要がある。とても勇気が出る。そして既にアジャイルやリーンなどが考え方のベースになりつつある自分に何ができるだろうかと考えさせてくれる本。

アジャイルやリーンを通して生まれたGood Patternをモデル化していくことはできるけど、それは結局アジャイルやリーンの延長線上なんじゃないかとか考えてしまう。でもいわゆるSpotify ModelやSlalomのbuild serviceはまさしくそのパターンだから良いのか。日本Fitしやすいアジャイルのパターンをモデル化&ビジネス化する、ただしその上で本質的な部分が失われないようにするという方向性で検討してみたい。

アジャイルな見積りと計画

計画に対する考え方を変えよう。

ソフトウェア開発の計画は本質的に複雑で、納期を決めることはそもそも出来ないっていう理解を深めてくれた。これは計画を投げ出しているんじゃなくて、その中でいかに不確実性を下げられるかというアプローチを取る方が健全なんじゃないかって思う。ソフトウェア開発の計画が本質的に難しいということを理解してもらうために、なにか良い例え方は無いんだろうかと悩む。本文内ではアメフトの試合終了時間とかあったけど、野球とか?

PMBOK 第6版

早く第7版読みたい。

読んでみると意外と当初の計画に対して柔軟性を持たせるための要素が多く感じた。ただ実プロジェクトではそれがあまり活かされておらず、特にスケジュールのコントロールは最終兵器的に扱われているケースが多いのが肌感。人のリソースであるという側面以外に目を向けることが大事で、そういった観点みたいなものが散見されるのも意外だった(Celebrate the successみたいな要素)。けどやっぱPMBOK6版の本質は計画と管理。色々変わってるらしいので来年中に第7版読みます。

プロジェクトのニーズに合わせてテーラリングする必要があるってあるけど、このテーラリングの指針がないから誰かにとって都合の良いテーラリングがなされ結果誰かが不幸になってるんじゃないのって気がする。そのテーラリングの方針とか守るべきポイントみたいなものがあれば良いなと思った。

他に読んだ本

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか ピアーズ・スティール (著), 池村千秋 (翻訳) まだ先延ばしをしているのでこの本を読みましたと紹介するのが恥ずかしい。でもなぜ先延ばしをするのかを理解するのに良いし、それに対してアジャイルなマインドセットやプロセスは効くと思う。ただ実践できてない。悲しい。

This is Lean - 二クラス・モーディグ (著), パール・オールストローム (著), 前田 俊幸 (監修, 翻訳) リーンについて効率についての解説がなされている。リソース効率ばかり注目されるマネジメントの中でリソース効率とフロー効率のスイートスポットを、リーン自体を目的にせずトヨタのように理念からたどり着くよう手段を取っていこうという形。

ビジネスの未来 - 山口周 もう昔のような成長曲線で心身を削りながら資本主義の世界で上を目指す時代は終わり、ビジネスでもSDGsや個人の幸福を追求していく時代が来るという本書。たしかにどの企業もかならず成長していく前提でのプランを立ててるけどその先には何が待ってるんだろうか。ビジネス的な成長を一旦置いて、従業員の成長と幸福に舵を切るとどうなるのか。

フィールドワーク - 佐藤郁哉 仮説検証の手法としてのフィールドワークについて知るために読んだ。調査対象者に溶け込見ながら定性的な記録などを多くしていく感じで、チームに密着するようなアジャイルコーチなんかだとマッチししそうなイメージ。

教育心理学概論 - 三宅芳雄 三宅ほなみ 「学ぶ」とはどういうことかを知るために読んだ。ラーニングピラミッドってあるけど、なぜあの並びなのかが見えてくる。そういうところからどうすれば良い学びを得られるのか、良い学びの場を作れるのかみたいなところを考えるヒントになった。

他にもさらっと読んだものはあるけど、来年のまとめに載せられるよう読み返してみます!

ふりかえり

去年読んだ本のリストを見てみると、だいぶアジャイルに偏っていた。

今年は少しばかり視座が開けたというか、色々な視点を学んだ結果として哲学的なところに回帰して自分の人間性みたいなものを再考する1年となった。それがなぜだろうと考えた時に、一番思い浮かぶのはRSGTのボランティアを通してコミュニティや人々に少しでも繋がりが持てたからだとも思う。そこから色んな本にも出会えたし、読むためのモチベーションにもなった。

来年度は一人で本を読むんじゃなくて輪読会みたいなものに参加してみたい、いずれは主催してみたい。そこからまた繋がりや新たな理解が生みだせるはず。そんな畏まったものじゃなくてもいいから一緒に読もうぜ、ぐらいの感覚で人が集まればいいなぁ。こんな感じで2022年も良い本に巡り会えますように!

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