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結局メディアって何なんだろう。

 悩んでおります。フリーランスになって1カ月。僕は記者なのか、編集者なのか。何になりたいんだろうかと。

 前にどこかで書いたような気もしますが、記者は数少ない手掛かりを集めてゆく仕事です。編集は反対に膨大な情報を削ってゆく仕事。記者には客観性、編集者には主観性が必要だと思います。メディアにはどちらの役割も必要ですが、媒体の特性によって、その比重は変わってくるという感じでしょうか。

 僕は熱量の高いものが好きなので、取材においても、どうしても主観が入りがちです。しかし、ニュース媒体ではある程度客観的に書くことが必要です。だから、バランスを間違えると良くない記事が生まれます。伝えたいことが伝わらない。むしろ、間違った形で伝わってしまうという最悪のパターンもあります。良かれと思って僕なりの解釈で打ち出した記事が、誰かに迷惑をかけてしまう。実際にそうしたこともあります。

 僕は結構繊細なので(自分で言うなという感じですが)いろいろなことを気にしすぎて、100%思った通りのコンテンツが作れなくなってきました。だいたい思い付きですごい速度で記事を書くのですが、何度も書き直したり、ちょっとでも平穏な書き方を選んだり。記事に対する意見を見て結構ヘコむこともあります。そのたびに僕が伝えたいことと読者との温度感を学んでいるわけですが。

 そもそも、メディアという職種に対して、ずっとある種の違和感を抱えてきました。客観的な立場でモノを言うのは構わないが、無責任すぎやしないか。客観的立場だからこそいろんな会社の情報を聞いて、それをまとめて、情勢を見出したり未来を予測したりするわけですが、自分がやったこともない職種に対して意見を言うのはどうなんだと思うのです。僕なんかがこんな形で発信を続けていていいんだろうかと。実際の業界での経験を経てジャーナリストになった人や業界の中から発信を続ける方も周りにはたくさんいて、彼らの発言を見ていると、やっぱり芯があって説得力があるなあと思うのです。

 だから、最低限、自分が現場で得た一次情報だけにこだわろうという気持ちはあります。当たり前だけれど。ベテラン記者・編集者の方からすれば「何馬鹿なこと言ってんだよ、ネタとってくればいいんだよ」と思われるのかもしれません。でも、非常に悩んでおります。もちろん、ポジティブに、エモーショナルなコンテンツが作りたい気持ちに変わりはありません。また、フリーライターという形でいろんなメディアのお仕事を積極的にしようという気持ちは相変わらずあまりありません。その前提で、やっぱり、僕がやりたいのは今のメディアの形じゃないんじゃないだろうか。

 実はすでにいろいろとメディア外のお手伝いでも動き出していたりします。自分だけでやりたいことも少しずつ輪郭が見えてきています。そのために考える時間を作ることも増えてきました。直近の大阪の台風・北海道の地震という状況も自分の方向性・メンタルに影響を与えまくっています。一方で、メディアという形で発信する内容についても、こんな状態なので、当分、模索が続くと思います。コンテンツも記事の書き方も、いろいろとブレると思います。とりあえず、突き進むのみですね。

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