#025 ハイン・ゲリックの赤いジャケット
東京暮らしで仕事はマスコミ関係。頭の上にサングラスをのせて、長めのソバージュを軽くまとめるのがいつものスタイルで、マニュアルのVWゴルフをスイスイと走らせる。それが僕の叔母だった。80年代初めの、その時代風に言うなら「ナウくてちょっとトッポい」都会の人そのもの。当時の僕は京都の田舎町に住んでいた小学生だったから叔母が聞かせてくれる都会のあれこれが、ことの他まぶしく感じられた。
僕がハタチになった頃、そんな叔母が「お古だけどもう着ないことにしたから」とバイク用のレザージャケッ