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#040 変わってゆく私・バイク・クルマ

荒井由実の『卒業写真』に、こんな歌詞がある。

あの頃の生き方を あなたは忘れない
あなたは私の 青春そのもの
人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかって


そして、太田裕美の『木綿のハンカチーフ』にはこうある。

変わってく ぼくを許して
毎日愉快に 過ごす街角
ぼくは ぼくは帰れない


この2曲が動画サイトのリストにあがってきて、なんの気になしに聴いていたのだけど、かつてのバイクやクルマを愛するひとたちの心情とフッとリンクした。

そういうひとたちは単に過去を懐かしんでいるわけではないと思う。「変わってゆく私」は「変わってしまった私」ではなく、「変わってくぼく」は「変わってしまったぼく」ではない。時は経ち、多くのひとはすっかり忘れてしまったけれど、ぎりぎりそこに踏みとどまろうとする自身へエールを送っているのだと思う。あるいは抗っている。そして同時に社会へ、環境へ、メーカーへ、メディアへ問うているのだと思う。もしくは叱っている。

バイクもクルマも変わったけれど、それって本当によかったのだろうか。本当によくなったのだろうかと。ささやかで、小さな声ではあるけれど、流されているひとたちよりはずっとこれから先のことを考えているひとだ。かつてのバイクやクルマを通して、それを表現しているひとだ。



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