設計事務所で働く

みなさん。こんにちは。
前回私の社会人になるまでの半生を赤裸々にお伝えさせていただきました。

今回は社会人になって感じたことを書きたいと思います。

最初の壁

皆さんの社会人になってからの最初の壁は何だったでしょうか。

私にとっての最初の壁は『電話』でした。
電話に出るのが怖かったのです。電話先の人が何を言っているのかわからない。何回も聞きなおしても誰だか良くわからない。スムーズに電話を先輩に繋がらないと怒られる・・・etc

とにかく、電話に慣れる事が出来ず、電話に出る事を避けていたら、同期の女の子から「青木さんもちゃんと電話に出て下さい！」とどやされる始末。５時を過ぎれば電話の量が減る事から早く５時にならないかな・・
と常に５時を熱望する、そんな社会人のスタートでした。

とにかくがむしゃらな１・２年目

私は良くも悪くも人の意見を純粋に受け入れるタイプです。
上司から〇〇に行った方が良い、付いてきた方が良いと言われれば、素直に見に行ったり、行動が出来るタイプでした。
初年度のまだ慣れない環境の中、休日に身体を動かすのは精神的・身体的に辛い時期もありましたが、今ではやはりその経験が活きているなと実感しています。
当時はとにかく仕事が出来ない自分を早く変えたくて変えたくて必死だった気がします。

サザエさん症候群

一方で私は極度の心配性です。
入社して１，２年間はずっと緊張しながら人生を過ごしていました。
自分の図面はちゃんとしたものを書けているのだろうか。
何かしらとんでもないミスをしているのではないか。
あの法規は解釈合ってるのか。
あそこの数字あってるよな・・

休日も自分が平日に行った仕事の事が不安で不安で仕方なかったです・・

建築というものは本当に責任の重い仕事です。

人の命に直結する仕事でもあり、線一つ、寸法、数の違いで、そこにかかる金額が全く変わってきます。お施主様の希望と異なるものが出来てしまったら簡単には直せません。

そのとてつもないプレッシャーに常に押しつぶされそうな状態だったので、日曜の６時半のサザエさんの時間が非常に恐ろしく、心臓が痛くなっていたのを覚えています。

仕事が辛かったという訳では決してありません。むしろ充実はしていました。

ただただ、そのプレッシャーが当時の自分のメンタルを押しつぶそうとしていたということです。

そんなこんなで入社１，２年はもがきながら這いつくばって日々過ごしていたように思います。

印象的な出来事

少しずつ自分の努力が実を結び、とある実施設計を担当をさせていただきました。目の前に海が広がるとても魅力的な敷地でした。
魅力的なのは敷地だけでなく、そこのお施主様も本当に素敵なお施主様達でした。
園舎や教育に対しても非常に熱い想いを持っており、毎回の打合せがとても楽しかったのを覚えています。
こちらのお施主様とのやりとりで非常に印象的だった事があります。

こちらが計画に関して説明をした後にこういった言い方をお施主様がされました

「この計画に関して、まずは私の意見を言わせていただきます。素人なりに率直に思った事を言います。意見を言いますが、そうして欲しいという訳ではありません。私の意見によって青木さんの意図する事が出来なくなったり、デザインが変になってしまうなら遠慮なく言って下さい。」

こういった事を言ってくれるお施主様は本当にありがたいです。結果としてこちらも遠慮なく意見を言えて、より密度のある議論を行う事が出来るからです。
結果として完成度が高く、お施主様としても満足いただけるような空間を最終的に引き渡す事が出来ると思います。こちらのお客様とは、今でも仲良くやりとりをさせていただいており、本当に素敵な出会いとなりました。

意見を遠慮なく言える環境というのは本当に大切だと思っています。
それはお施主様との打ち合わせで強く実感しましたが、協力会社の方々、施工者、会社の上司や後輩との関係性でも同様だと思います。

チームでプロジェクトを動かす場合、意見を言いやすいような雰囲気作りを心掛けねばならないなと感じた出来事でした。

感謝すること

入社して10年以上が経過し、それなりに多くの経験をさせていただきましたが、その中で強く感じている事が、1人1人の方と向き合い、感謝する姿勢を崩さないことが大切であるということです。

建築は勿論ですが、多くの仕事も１人では出来ない事が多いと思います。私自身、多くの方の協力・サポートがあって、今充実した毎日が送れています。
・お施主様から仕事の依頼があること
・我々の会社の教育の考えに共感をいただいていること
・情熱ある想いを伝えていただいていること
・今この場で働けていること
・社会的な認知を広げていただいて会社の先人たち
・自分をここまで成長させてくれた会社
・多くの指導・サポートをしてくれる上司や先輩
・時間を使って試行錯誤し・形にしてくれる後輩
・高い要求に対し、最善の努力をしてくれる協力会社・施工者・職人の方々
・これまで自分を支えてくれた友人や家族

当たり前に思いがちな事にきちんと感謝する心を忘れずに、1人1人、そして社会に恩返し出来るよう、１日１日を大切に過ごしたいと思います。

会社に入ってから本当にいろいろな事を経験させていただき、多くの事を学び、感じさせてもらっているわけですが、やはり１度に書ききれないので、分散して小まめに記事にさせていただければと思います。

以下私が働いてる会社の動画です。少しでも働いている雰囲気が感じとれればと思います。