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【軽貨物】6話。やっと決まった、自分のコースが地獄の日々だった話。

地獄と言えば言い過ぎなのかもしれません。
他にもっと大変な思いをしてる人だってたくさんいると思いますし、甘いと言われてしまうかもしれません。

ただ、僕のキャパは完全にオーバーしてました。余裕ゼロ、そんな感じです。

たらい回しに合い、やっと決まった自分のコースでしたが、今思うとそれまでのコースは荷物も少なく、周りの人も分からないことはすぐ教えてくれました。
とりあえず、繋ぎでやっているだけでした。


『今日からここです』


そう言われたコースは、周りに、明らかにベテランの人しかいないコースでした。

周りのベテランドライバーは黙々と積み込み、さっさと出発していた。
ベテランの方達はとにかく朝が早い。
6時くらいから来てる人もいた。
積むのも、出るのも早い。

そして、無口。
たまに口論してる。そんな感じでした。
僕のいたその営業所は、しばしば口論してる人も見かけた。THE体育会系。

僕も何度か怒鳴られた。

『なんでそんな所に車停めてんだよ』

『ダメなんですか?』

『当たり前だろ!』

当たり前なんだ。
知らないよ。そんな事。
他に言い方はないのか?

周りに話す人も、仕事のわからない事を教えてくれる人は誰も居なかった。

ここに来て、孤独になった。

教えてもらおうと、声をかけても忙しいからと、邪険に扱われる。誰も何も教えてくれないような日々の中、なんとかやっていた。

いや、やれてない。
遅配(遅れて荷物を届ける)をしていた。
未配(そもそも届けていない)もしていた。

その当時のお客様申し訳ありません。

前日からの荷物、不在の荷物、溜まりに溜まっていった。
前日の荷物もあって、当日の荷物もあって、不在の荷物もあって、パンクしていた。
完全にパンク。

それに、遅配をすると朝呼び出される。必ず。
毎朝必ず呼び出される。
改善策を聞かれる。なんで遅れたのか?と…

そんなものは無い。キャパオーバー。
素人だ。ど素人。
どうすればいいかを教えてくれる人もいないし、聞いても教えてくれない。

『僕、未経験で、コースもすごい変えられてここに来てます。周りに教えてくれる人もいません。』

その、毎朝僕を呼び出すその人は珍しそうな顔をしていた。その人はある程度の役職の人だったと思う。

僕の所属する課の課長を呼び出し、なんとかしろと指示を出した。

『高橋さん、時間守れませんか?』

守りたい気持ちはありますね。
でも、物理的に無理ですね。
逆になんとかしてください。

戦いました。流石に。腹も立っていたので。

その日から、社員の隣に乗って道を覚える事になりました。たしか、1週間くらい一緒にやったと思います。最初からそうしてくれ。

なんとか、覚えてきました。
1人でやれるようになってきました。
遅配も、未配もありません。
不在はたんまりありました。

この仕事で、不在はつきものです。
再配達が入って、その時間にいない。
割と当たり前です。
再配達が入って、持って行ったのに

『なんですか?』と、不機嫌な顔をされる事割と当たり前です。

こちらが制服を着ていて、どこの何者なのかを分かっていると、横柄な態度に出てしまう方が一定数はいます。

全国の宅配業者さんお疲れ様です。

とはいえ、だんだん慣れて来て、捌ける荷物の数も徐々に増えてきました。

ここで問題が1つ。

今配っている荷物の数では18000円を超えない。(保証期間3ヶ月は1日18000円)

この業界は、荷物1個の値段が決まっていて、(場所、サイズ、地域によっても変わります。)何個配ったか?
又は、1日稼働しての日当制です。
あとは、時間制もあります。

僕が配っている荷物の数では、18000円には届かない。慣れてきて気付きました。
つまり、保証期間が終われば何個配ったかで給料が決まるサバイバル状態です。

前の記事でも書きましたが、お金がなくてこの業界に飛び込みました。
つまり、お金が稼ぎたくて始めました。
18000円を切る事はしたくない。

交渉しよう。

そちらの会社の不手際、コースのたらい回しにあったこと、素人を完全放置し、何も教えなかった事。故に、保証期間を伸ばして下さい。

交渉はうまくいった。渋々ok。
こうして、なんとかあと1ヶ月伸ばした。

結局、僕は伸ばして貰ったにも関わらず、この保証期間中にここを抜けて別のところで稼働し始める事になるのですが、約4ヶ月ここでやった事は本当にキツかった。
良い思い出です。


つづく




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