小さな物語
木を描くように言われたのよ
それぞれ違うものを2枚と
種のを1枚、朽ち果てた幹のを1枚
上手く描けたと思ったわ、ただ
誰の仲間にも入れて貰えなかった
インクを紙に垂らして半分に折るのね
何にみえるか直感で答えるんだって
猫のようだとか、カボチャの馬車とか
言われた通りに答えたわ、ただ
どの範疇にも入れて貰えなかった
幼い頃から知っていた
もう誰かに伝える必要はないと
とっくの昔にわかってた
だって多くの人はそうでしょ?
どこかの範疇に入りたいのよ
私はそんなことよりも
今あなたに話したい
この小さな物語を
まだ誰も聞いたことがない
小さくてとっても可愛い物語
私だけが知ってる
小さな小さな物語
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