同性愛講演録非難への反論⑴一急死した楊尚眞教授から託された原稿

楊教授への不当な「言論封殺

昨年6月13日に神道政治連盟の国会議員懇談会で配布された弘前学院大学の楊尚眞教授の「同性愛と同性婚の真相を知る」と題した講演録の文言が部分的に切り取られ、6月27日のヤフーニュースによって全国に知れ渡り、「差別主義者」という不当なレッテル張りをされ、個人情報や家族の写真などが拡散され、大学の授業が一時停止されるなど、不当な「言論封殺」策動が行われた。
 楊教授は訴訟を起こす決意をされ、弁護士を指定し私に何度も相談されたが、私はかえって混乱に拍車がかかり、本人と家族のストレスが高まる恐れがあるから自重するように説得を続けていた矢先に突然死(強いストレスの影響が大きいと思われる)の悲報を受けた。
 同教授の心痛は察するに余りあるものがあり、性的少数者を支援する団体「fair」の松岡宗嗣代表理事が「非科学的で差別的言説」だと同教授を批判したことに対する反論原稿が私に送られてきたので、その要点を抜粋して連載することにする。

●「同性愛は精神の障害、依存症を伴うことがある」

 まず第一の論点は、同講演は明らかに「人格と尊厳の尊重」とは真逆の、ヘイトスピーチや憎悪言説と呼べるようなものばかりだった」と松岡氏が批判した点についてであるが、楊教授は次のように反論している。

<講演の目的は日本で知られていない同性愛と同性婚についての学術的な研究結果をお伝えすることであり、性的少数者を卑下したり、軽んじることではない。性的少数者の人格の尊厳は尊重しなければならない。ただ、私の日本語の表現が直接的で詳細な説明不足があり、この言葉が大きな誤解を招いてしまったと非常に悔いております。「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」とありますが、これを正しく説明いたしますと、「同性愛は、精神の障害、または依存症を伴うことがある」ということです。私の表現不足でした。訂正しお詫びいたします。>

同性愛は後天的という科学的研究
 
 第二の論点は、同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく個人の強い意志によって依存症から抜け出すことは可能なので、同性愛からの回復治療の効果が期待できる、という楊教授の主張を松岡氏が批判したことについてである。楊教授は次のように反論している。

<同性愛が先天的であるという仮説はありますが、明確に示す立証された科学研究データは存在しません。同性愛が後天的なものであるという科学的な研究結果のデータは数多くあります。
 同性愛が後天的な精神の障害であるということは、今まで同性愛者がカウンセリングによって同性愛から脱した例が数えきれないほど数多くあるからです。
 フロイトの主張の核心は、同性愛は、解決されていない無意識のエディプスコンプレックス、それによる異性に対する無意識的で否定的な感情に対する過程で生まれたということです。このような同性愛の発生過程は、他の神経症的な障害の発生過程と原則的に類似しています。
 フロイトの娘アンナと他の弟子たちは、一様に同性愛が心因性ノイローゼの一つであることを主張してきました。ジョセフ・ニコロシは、同性愛は幼少期に受けたジェンダー外傷(トラウマ)を修復させる症状と捉えました。
 スピッツァー博士は同性愛者の性的指向が変わるかどうかを判断するための研究プロジェクトを立ち上げ、2011年にその研究結果を発表しました。同博士が発見したのは、社会通念に反して「高い動機付けをされた同性愛傾向者は大きく変わることができ、異性愛者としての機能を十分回復できる」ということでした。同性愛は固定的な性的指向ではなく、流動的なので変わることがあるのです。
 ニュージーランドの千人調査によれば、21~26歳の間に1,9%の男性が異性愛から離れましたが、1%は異性愛者に戻ってきました。この研究結果から、これらの変化は明らかに遺伝的要因によらないと主張することができます。

同性愛に伴う依存症についてのクルウェスの研究

 クルウェスの研究によれば、同性愛には以下の依存症を伴うといいます。
①同性愛性行動を持つことは、パートナーの持続的確保などが人生の最優先課題となってしまう。②同性愛快楽を無限に追求する。➂時々、自ら性行動の統制を試みるがほぼ失敗する。④同性愛パートナーとの関係は貞操を守ることが難しく、複数のパートナーを持つことが多い。⑤同性愛への性依存以外に、小児性愛、異性服装倒錯性、加虐被虐症、極端的ポルノ及びアルコール依存症、喫煙依存症などを伴う場合がある。
 また、同性愛人権活動家であり、スイスのバーゼル大学の臨床心理学の教授であるウド・ラウツフレークは、同性愛はその性質上、瞬間的で献身する心もなく、相手の名前も知らないまま性行為をする場合が多いことが関係的特徴であると指摘し、その他の研究もこれを裏付けています。
 
 
 



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