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真昼間の月を捕らえてぼくだけの思い出とする教室の窓/高田月光

2022年4月14日(木)のうたの日19時部屋の題「捕」で次席となった短歌。

作中主体は、学生か児童・生徒か、はたまた教員か。「ぼく」という一人称が広義の少年を思わせるから、学生か児童・生徒かがまず思い浮かぶ。

日によっては真昼間でも月が見られる。その月は、そのとき外にいたり、屋内から外を見ていたりした人でなければ気付けないものだ。

学生か児童・生徒かだとすれば、授業・講義の最中か、休み時間か、午前授業後の放課後だろう。「ぼくだけの思い出とする」という表現からは、周囲の学生や児童・生徒が外を見もしない状況であることが想像される。授業中で外を見ないのか、休み時間の遊びや勉強に夢中で外を見ないのか。

いずれにせよ作中主体は、周囲とは異なる行動として外を眺めている。そのときに作中主体が目にし捕らえたのが「真昼間の月」だ。

「教室の窓」という表現からは窓側の座席にいる作中主体が想定できる。青春のひとときを捕らえ切り取った一首だ。

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