中年おばさんの奮闘記 in デンマーク!1

2022年5月28日

 デンマークのオーフス市民の間で人気のあるネット雑誌に 
"日本食テイクアウトのお店 Tokyo Kitchen は今日が最終日!今後のオープン場所や日程は未定!"という記事が搭載されたこともあり、この日は開店同時から沢山のお客さんが来てくれた。通常の閉店時間は19時半だが、この日は20時くらいまで注文するお客さんの列が途切れなかった。
最後のお客さんは、いつもキッチンを掃除をしてくれているTokyo Kitchenのスタッフのカラーだ。彼女がオーダーしたグルテンフリーのチキン丼を作り終わったのが20時半。DJワサビが外で日本の音楽をかけながら私達が来るのを待っている。私は、急いでスタッフに「ダンスをするよー!」と呼び掛けて、あーちゃんと外の広場に出た。
しかし、外には私たちが作ったご飯を食べ終わったお客さん達がリラックスしていておしゃべりをしている。
大量の音楽がかかっているにも関わらず、誰もダンスをしていなかった。
私は「誰もダンスしていないよ!ヤバくない?さすがに日本の曲だと知らないから誰ものれないのかな?でも、せっかくだから、2人だけでもダンスしよう!」とあーちゃんに言ったその時、突然、周りから拍手が起こった。
たくさんの人が私たちの作ったご飯を食べ拍手をしてくれている。
お客さんの鳴り止まない長い拍手を聞いて、私は涙が止まらなかった。
言葉に表せない感動って本当にあるんだなと思った。
そして、デンマークに来て6年間、色々なことがあったけど、愛が溢れている街、オーフス市に来ることが出来て本当に良かったと心から思った。

エミールとの出会い

 この出来事の10年以上前の2011年3月、33歳の私は仕事で生きる覚悟を決め、中国へ海外赴任をした。しかし、そんな中国で、将来の夫となるデンマーク人のエミールに出会った。
 初めて彼に会った時、初対面にしては失礼な質問をいくつもされたので、彼の印象は最悪なイメージしかなかったが、後日エミールから連絡があり、中国に友達がいないから友達になって欲しい、と言われ、一緒にご飯を食べることになった。
 2回目に彼に会った時、意外にまともな人なんだということに気が付いた。感情とは不思議なもので、最初のイメージが余りにも悪すぎると、次会った時それ以下のマイナスなイメージには、なかなかならない。
それどころか、ちょっとまともな所を見ただけで、一気に好印象になる。
私の人生では珍しいことに、相手からアプローチされたということもあり、私は、有難く彼の好意を受け取ることにした。
 仕事で生きる覚悟で海外赴任したにも関わらず、久しぶりに彼氏が出来た私は自分の覚悟をあっさり捨て、仕事を辞め、エミールと2人で日本からデンマークまで世界旅行をした。

親愛なる私の子供たちへ

以下は、母国語が異なる私の子供たちへ贈る言葉です。
 私たちは親子なのにも関わらず、母国語が異なるため、一般の親子みたいに上手に意思疎通が出来ないよね。なので、今ママが考えていることを文章に残しておこうと思いました。あなた達はまだ7歳と5歳なので、ママがここに書いていることがわからないと思います。しかし、あなた達が大きくなって、いつかこの文章を読む機会があったらママはとっても嬉しいです。

ママはファー(デンマーク語でパパという意味)に恋をし、ファーに夢中になり、デンマークへ来ました。
デンマークへ来てからは、仲間達と日本食のお店Tokyo Kitchen をオープンして、Tokyo Kitchen に夢中になりました。
恋でも仕事でも、何でも良いので、自分が夢中になれることを体験することが人生の醍醐味なんだと、最近思うようになりました。

人生はやりたいことが何もなけば、あなた達が思っているよりとても長いです。しかし、やりたいことが見つかれば、あなた達が思っているより時は早く過ぎます。
何かやってみたいことが見つかったら、とにかくやってみて!
ママはいつもあなた達を応援しています!


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