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本の紹介📚|生きる技法

社会人として生きていく中で、大きな仕事を受け持ったり家庭を持ったり、会社の組織や事業をマネジメントしたりと、社会の中でより大きな責任を背負う場面が訪れる。そんな時に感じてしまうのが、責任をきちんと自分の力で受け止めて、「自立」しなければという重圧だ。
ネットやSNSではたくさんの“すごい人”や“できる人”が情報を発信し、あるべき姿・やるべき行動を示してくれる。しかし、責任に駆られそんな理想像を追い求めるうちに、どんどん本来の自分とのギャップが広がり、苦しみは増えるのに助けが求められなくなる。
私がまさにそんな状況に陥っていた頃に勧められ、救われたのがこの本だ。
本書が最初に示す命題「自立とは、多くの人に依存すること」に、私は面くらった。誰にも頼らず立つことが自立だと思っていた。だが考えてみれば、そんなことは不可能だと気づく。生きている限り、絶対に誰かの力を頼り助けてもらっているのだ。
決して強くはない自分を認め大事にすることで、はじめて他人とも人間として尊重し合うことができる。そうした姿勢から、自然体で助け合える人たちとの関係が生まれていく。本当に困っている時に「助けてください」と言える関係がたくさんあることが本当の意味での「自立」なのだと本書は教えてくれた。

生きる技法
安冨歩|青灯社

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