暑い夏を5時間歩いて写真を撮る
久しぶりに、いわゆる一人旅をしてきました。同じ県内ですが、行ったことがない場所にぶらりと。
今日は、そんな旅の記録です。文章よりも、写真を中心に。
私はスキャナカメラのような少しマイナーなカメラを使って作品を撮ることが多いのですが、ルーツとしては単なる写真・カメラ好きな人間で、色んな場所に旅することが好きでした。
そのため今でも定期的に、作品から外れた、本当に自己満足で写真を撮りにいくことがあります。今回はそういう内容です。
言い訳かもしれませんが、私にとってこの旅で撮影した写真は【記録】であり【作品】ではなく、「こいつ写真下手くそだなぁ」と言われても一ミリも響かない写真たちです。
ただ、撮ることが楽しければ良い。そういう写真を撮る旅です。
撮ることを楽しくできる―
そういう意味では、機材の選出も非常に大事です。
私は今回、相棒としてR-D1sとPEN-FTを選出しました。
実際には、ほとんどR-D1sだけで撮影してきました。このカメラ、私は非常にお気に入りで、撮る楽しさを追求できる理想のカメラといってもいい。
旅の話にカメラについて語るのは野暮かもしれませんが、
ある程度小型軽量、でもホールドした時に良い具合の重量がある
シャッターチャージレバーがあるため、フィルムライクなテンポで撮影ができる
モニターを見ずに撮影できる(モニターが役にたたない)
バッテリーがすぐ切れる、SDは最大2GB対応でほとんど入らない
等倍ファインダーのため、両目を開けて撮影できる
こんな特徴があるカメラは、R-D1sしかなく、軽い旅には最適です。
特に最後が大事で、M型デジタルライカにすらない素晴らしい機能だと思っています。テンションに任せた撮影をする際、片目を瞑るのは少し気が引ける瞬間があるのです。等倍ファインダーという特徴があるからこそ、このR-D1sがやめられない。
この日の最高気温は、36℃予想。
実際何度まで上がったかわかりません。7時半ぐらいから歩きだして、途中電車に乗るという休憩を挟みましたが、合計5時間ほど歩き続けました。歩くのは14時ぐらいには終わっていたので、一番ピークの時間帯は避けられたと思っています。
とはいえそれでも暑い。私は暑さには比較的強い方ですが、それでもこの暑さは堪えるものがあります。
普段からスナップを撮っている方、こういう環境下でも撮影を常にされていて、敬服しております。
とはいえ全体的に夏の光、強い光。モニター越しに見ない、光学ファインダーから覗いた世界も、非常に眩しい一日でした。
基本的に、こういった写真は記録として保存されるため、私の作品でいえば【From the Vault】に集約される仕組みになっています。
ただ、最近は過去に撮ったものを思い返すだけでなく、自身の思考をリセットするためにも、「作品と関係ない」写真も多く撮り、SNSにアップするのも良いのではないかと考えるようになりました。
まだシリーズとして作品作りをしているわけではありませんが、【in flatting of progress】はそういった内容が含まれています。
最終的に、私の体力よりも先に身体の一部(股擦れ)が原因で歩けなくなってしまい、本日はお開きとなってしまいました。
結婚式を終えて半年、体重は10kg増加しています。こんなに増加してたら、歩くのも大変。間違いなく、股擦れも太った事が要因でしょう。スナップ撮る前にダイエットが必要な状況になりつつあります。自業自得。
一昔前、私はスナップ=人を撮るというイメージがありましたが、最近は「人がいた風景」を撮ることが多いです。
過去、そこに人が居たことが示せるような写真。人の生活が息づいていた写真が好きです。
ちなみに少し古めの家屋を撮る理由として。
過去住まわれていた方の痕跡を追う意図が主ですが、それ以上に私が過去住んでいた寮がかなりボロい家で、自然とそういった建物を見るとシンパシーを感じることが大きかったりします。台風が来ると、壁が吹き飛んでいったことが懐かしい。
とはいえ過去だけでなく、今も撮るようにしていますけどね。
さて、おわりに。
今回の記事は、久々に只々スナップを撮ってきたという記録日記でした。
タイトルのように5時間ほど歩きましたが、大変な思いをしたからといって良い写真が量産できたわけではありません。それは暑さや疲れのせいではなく、私の実力によるものでしょう。
しかし冒頭で記載したように、この旅は写真を撮るという所作をする事に楽しみを見出す旅です。そういう意味では、十分に目的を達成できる旅ができ、非常に満足しております。妻も子供見てくれてありがとう(明日は逆に私がお守りするんだけど)。
ここ最近、スキャナカメラをはじめとした作品については(定期的ではあるのですが)スランプに陥ってることもあり、こういう写真を楽しめるというのは非常に良いものでした。股擦れさえ治れば、また旅に出ようと思います。
・・・
なおスキャナカメラは、この暑い中で「待つ」という工程が発生するので発狂します。これが本当にキツくて、私もスキャナカメラも熱暴走するため、一日一枚撮れれば五の字です。
スランプとはいえ、そろそろスキャナカメラも次のステップに動き出していきたいところ。暑い中、なにか妙案でも浮かぶかと妄想しておりましたが、そこは妄想で終わってしまいました。引き続き、自身の考える最良を模索していきます。