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作品【Light/空間を照らす風景】-について

2016年〜2019年にかけて製作していた作品です。落葉樹型作品(不定期に撮影、現在休止中)の位置付けですので、ここ最近は製作しておりません。

本作は分類するなら風景写真になりますが、明確なステートメントを持ち合わせているわけではありません。ただ、「風景・空間のライティング」を行うことで、風景・空間に広がりや奥行きを追加しようと試みました。


【Lio.16】

この作品を撮るようになった最初のきっかけは、私が2013年に風景撮影、2014年に風景の中に人を入れる撮影、2015年に人物撮影…と行ってきた中で、「人を撮ってきた経験を生かした風景写真が撮れないか?」と思ったことがきっかけです。

特に2014〜2015年はコスプレの撮影等、ライティングや撮影技法によって得られる写真の楽しさを経験しており、それを風景写真に活かせば面白いのでは、と考えていました。また逆に有名な風景写真ロケーションを撮っていた時に感じていた「私が撮らなくても、ここはもっと良い写真が溢れている」という疑惑に対する回答にもなり得ると考え、風景のライティングについては以前から漠然とイメージを膨らませていました。


【Light-No.11】

とはいえただ風景をライトアップさせるのであれば、それは景観地のライトアップと代わりありません。確かにライティングは被写体の美しさを引き立たせる効果がありますが、それは私にとっての違和感でした。

私にとって風景とは、結論としては”空間”です。明確な被写体、有名な景観地である必要もなく、「美しい」となる部分があれば、それは立派な風景写真となり得ると考えていました。つまりその”空間”をどうすればより美しくできるか。そうすると、被写体を明確にライティングする必要もないと気付いたのでした。


【Light-No.17】

もちろん景観地のライティングを目指すのは大変ですし、写真向けのライティングにするためには非常に大変であることも事実です。

特に私は人物撮影をしたことがある、といっても人物撮影、とりわけライティングは非常に苦手です。本作の場合、「できるのにやらない」ではなく、「できなくて、やらない」作品です。ご了承ください。

【Light-No.6】
【Light-No.20】

【Light】シリーズは、そんな空間へのライティングを活かした作品として2018年ごろに撮影を行いました。

砂浜に差し込まれた懐中電灯で照らされた光が、砂塵により回折することで光の筋として見えることを利用したり、光を当てることで砂面を浮き上がらせました。

砂地とは、私にとって不毛の大地とも思える空間ですが、その中でも美しい空間を垣間見ることができます。それをライティングさせることで表現してみました。

朝斜 2016

また本作品の代表作として、先程までアップしていた【Light】がありますが、それ以外にも同様のコンセプトで撮影した写真はいくつかあります。その代表が、上記写真になります。

この写真は単発の写真のため、正直撮影者の意図としては「左側から朝日の差し込みがあったら綺麗なのにな」という考えだったのですが、それをphotoshop等であとがきするのは個人的な宗教に反します。そのためライティングを使って、簡易的に斜光を創り出しています。

個人的に、こういった水やライト(ストロボ)を使用した前ボケ表現は多数トライしてきたのですが、X(旧Twitter)ではなかなか評判が良くて驚きました。


【Light-No.07】

おわりになりますが、特に【Light】については明確な参照元があります。Hideo Kobayashi様の【Trace】に感銘を受けて製作しました。

空間のライティングをしたい、と考えていたことは事実です。しかし私自身のステートメントはあくまで「時間の経過」を示す作品であり、本作はKobayashi様の作品に影響を受けて製作した経緯があります。

ちなみにHideo Kobayashi様の作品である【中断された場所】は、私が見てきた写真作品の中でも10指に入るかもしれない衝撃を受けています。この狂気ともいえる作品は、ぜひ一度ご覧になることをお勧めします。ステートメントを読めば、その一端が垣間見えるでしょう。


自作で機材作ったり、展示物のギミック作るとお金かかるんです…。ストレスで甘いもの食べまくるから…。そんなわけで、俺に少しでも甘いもの食べてもらいたいって人はよろしくお願いします!