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デザイナーと現場の間にどうしても生じる溝をどうするか

今日は「デザインはどこまで想像する必要があるのか」というお話しを。

▼建物自体はオシャレ

ぼくにはデザインの能力は無いし、センスも多分無いです。

なので、見る側に全振りの意見ですが、故に客観的なことも言えるかと思います。

前振りが長くなりましたが、こないだオシャレなトイレに入ったんです。

急に水回りの話しになりましたが、それはそれはオシャレで、お店の外観や内装、コンセプトにも多分ピッタリのデザインでした。

そしてそこに貼ってあった注意喚起の張り紙が写真のとおり。

▼注意喚起効果は高いが

素人の僕でもわかりますが、このなんだか淡い木目調の壁とは完全にミスマッチです。

このミスマッチ具合によって、嫌でも目は行くので、効果としては正しいのかもしれませんが、建物のデザイナーさんはここまで想像していたでしょうか。

してないですよね。

というか無理ですよね。

だってこの張り紙を作ったのは、警備する会社の方ですし。

とまあこういった具合に、どんだけ経験と英知とお金を投資したとしても、どうしても解決できない現場の一手というのがあるんだなあと感じました。

「タバコ吸っちゃダメだよ」の張り紙を、建物のデザインをした人に依頼する予算なんて無いでしょうし、とはいえ警備会社の方にデザイナーさんの意思を汲めなんて無理な話しだし。

▼合致するケース

逆に、当初デザイナーの意思には無かったけど、結果として建物のコンセプトと合ってしまうケースとしては、ライブハウスの壁に貼られているポスターやステッカーとかが良い例ですね。

ここ数年でできたライブハウスはそれを想定しているかもしれませんが、老舗だとすると、経営を続けていく中でいつの間にか雑多なアレコレが貼られて行き、結果として「ライブハウスっぽい」壁が出来上がったんだと思います。

こういった具合に、建物の文化にたまたま合致した、後付けのモノもあるわけです。

とはいえ、上手くいくケースの方が少ないと思います。

そして上手くいくに越したことはないとも思います。

▼仕事の創出なるか

だとすると、完璧に一致させるのは難しいけど、「コンセプトをくみ取ったデザインの張り紙を制作する」というのは、デザイナーさんの仕事としてまだ空きがあるんじゃないかな、とか考えられます。

もしくは、そもそものデザインをした会社が、その後のオプションサービスとして組み込んじゃうとか。

だって、せっかく素敵な内装になっているので、素人がパパッと作った張り紙で雰囲気が変わっちゃうのは、誰にとっても本意じゃないですよね。

自然に現場に溶け込むデザインに、注意喚起能力を担保させることができるかどうかはわかりませんが、それはデザイナーさんの仕事としまして。

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