スティーブ・ジョブる日記③webによって人は「消費する」からDIYの精神を取り戻したんだ
yahooにもジョブってるのがバレテーラ
みなさん、こんにちは。夏でもジョブる(スティーブ・ジョブズぶるの略語)ために、本家本元のイッセイ・ミヤケのコットンニットを検索していたら、完全にyahooのレコメンドエンジンにロックオンされた和樂web編集長のセバスチャン高木です。(ちなみにその下はヤフオクで木彫りの熊を落としまくっているために常に表示されている木彫りの熊たちです。また落としちゃうぞ!)
30年間ひたすら飲み続けたお酒を突如やめた私ですが、飲まないとむちゃくちゃ時間がたっぷりあるんですね。本を買っても買っても追っつかないので、kindle unlimitedに加入したのですが、そこで一冊の本に出会います。それがスティーブ・ジョブズが愛読したという『禅ビギナーズマインド』でした。
やはり風呂には入りましょう
ジョブズは大学を中退後インドに惹かれ、その後、禅、なかでも曹洞宗(そうとうしゅう)に傾倒しました。一時はすべてを捨てて永平寺に出家しようと思ったほどですが、当時の師に「君はこちらの世界でやるべきことがある」と止められたのだとか。うーん、そんなこと言われてみたいっス。
また、厳格な菜食主義を貫いていた時期もあって、「臭くなる原因となるものを食べてないんだから俺は臭くならないんだぜ!」とほとんど風呂に入らなかったそうです。すごいぞ!ジョブズ、さすが信念の人。でも実際はすごく臭かったので、同僚に嫌がられて誰もいない夜に仕事をすることを命じられていたのだとか。
そんな話をネットサーフィンで仕入れたジョブラー(ジョブズの真似をする人たちの総称、主に黒ニットとジーンズを着用している)の私は、早速スタッフの鉄の女サッチーに「ねぇ、サッチー。ジョブズってほとんど風呂に入らなかったんだって。俺もそうしよっかな」とかるーく話しかけてみました。すると、いつもはどんなにつまらない話でも「そうですよね〜」と薄っぺらな笑顔を浮かべて心無い相槌を打ってくれるサッチーが、鉄の女の本領発揮とばかりに恐ろしい顔をして「セバスチャン、それはほんとやめてよね」などと言い放つではありませんか!頼むからそんな恐ろしい顔するのやめてよ、もともと顔が恐いんだから。
曹洞宗に傾倒したジョブズ
禅には、臨済宗(りんざいしゅう)とか曹洞宗(そうとうしゅう)とか黄檗宗(おうばくしゅう)とか様々な宗派がありますが、ジョブズが傾倒したのは曹洞宗です。
曹洞宗の教えを一言で言うと「只管打坐」(しかんたざ)、「ただひたすらに坐る」ということです。鎌倉時代、約800年前中国で仏教を学び日本で曹洞宗を開いた開祖道元は『普勧坐禅儀』(ふかんざぜんぎ)にこう書き残しています。
原文に比べて訳がやけにあっさりしているのが気になりますが、シンプルイズベスト、それもZENです、気にしない気にしない。
それにしても、「只管打坐」、ただ坐る。ひぇーかっこいい!
曹洞宗によると、坐禅は悟りを開くために坐るのではなく、何かを求めて坐るのではなく、ただただ坐る。そこでは先のことをあれこれ考えることもなく、今この時間、一瞬一瞬をひたすら坐るのです。そしてこの坐禅をする姿そのものが「仏の姿」であるというのです。
「これだ!」。この言葉を知った瞬間、私はとんでもない力で横っ面をひっぱたかれたような衝撃を感じました。なんか、いつでも先のことを考えて、利口ぶって、ちまちまちまちまちまちまちまちま、あれこれ考えてきた自分に必要なことがわかったのです。それはただただ今、坐ると言うこと、です。
めちゃくちゃ有名なジョブズの名言に
っていうのがありますよね。これもある意味ジョブズ的「只管打坐」(しかんたざ)のような気がします。
DIY坐禅をはじめてみる
「座ってミターーーーーーーイ!!!!!!」。何事につけ影響を受けやすい私は即座に坐禅をすることを決意しました。
いやー、しかし今って便利な時代ですよね。ウェブがない時代は「坐禅をしてみよう!」と思い立っても、坐禅会を開いているお寺に行くとかしかありませんでしたが、自分の家の近くに禅寺があるかわからないし、その禅寺で坐禅会をやっているかわからないし、そもそも坐禅って何?禅って何?も本を買ったり図書館に行って調べ物をしないとわからない。本を読んだり調べ物をするのは私も大好きなのですが、何かを思い立って、まずは自分でやってみようまでのハードルがすごく高かったんです。
それがウェブ全盛になって、Googleさんが検索エンジンによって情報の民主化を果たしてくれたおかげで、情報を独占することでお金を稼いできた私たち出版社の人間は苦境に立たされましたが、自分で何かをする=DIYが非常に実現しやすくなりました。事実アメリカを中心としてここのところウェブを中心にDIYブームが巻き起こっていたりします。
茶の湯とか、華道とか、とかく日本文化ってDIYがすごーく難しい印象ですが、実はウェブ上で情報をかき集めて、必要なものを揃えたり、精神的理論を学んだり、How toを調べたりすれば、DIYできるんじゃない?師について学ぶことの重要性は重々承知していますが、一方で「まずはやってみる!」スタイルがあってもいいんじゃない?そんなことを思いついた私は、日本文化DIY第一弾としてDIY坐禅をはじめてみることにしました。
ちなみに和樂webのディレクター鳩仮面は、「茶の湯DIY」を進行しています。本来この「スティーブ・ジョブる日記」もその一環として始めたのですが、「黒ニットを着る話」(第一回)だったり「お酒をやめる話」(第二回)ばかりをしてきてしまったのがようやく本筋に戻ってきてほっとした次第です。
スティーブ・ジョブズのみならず、世界のイノベーターが注目する禅ですが、よくわからないのも事実です。曹洞宗、臨済宗、黄檗宗、あるいは、日本の仏教のことをばくっと学びたければ中田敦彦さんのyoutube大学「【禅】世界中の偉人たちはなぜ禅に魅せられるのか?」がすごーくわかりやすかったです。正確じゃないとか!ふざけてる!とか、いろいろ批判があるようですが、まずはばくっとエッセンスを掴まないと何もはじまりませんよね。禅への入り口として最適の動画だと思います。
ようやく本題に入ったところですが、今回はここまで!
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