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私の1991年。フリッパーズ・ギターのこと

フリッパーズ・ギターの解散は当時、惰性で続けていた進研ゼミ中学講座で連載されていたマンガの中で知った。その前年にTBSのドラマ「予備校ブギ」のオープニングで「恋とマシンガン」が使われているのも知っていたし、当時クラスで最もCDを所有している奴のコレクションに彼らの2ndアルバム「カメラトーク」があることも知っていた。

89年頃、バンドブーム時には姉が購読していた学研の「中学1年コース」に掲載されていた要注目のバンドの中に「たま」や「カブキロックス」など並んで共に紹介されていることも知っていた。

91年当時、自分はBUCK-TICKが好きで、「PATi PATi」というティーン向け音楽誌を購読していたから、フリッパーズがパーフリと呼ばれながら着ぐるみを着てるコーナーがあることも知っていたし、彼らの3rdアルバム「ヘッド博士の世界塔」からシングルカットされた「星の彼方へ」のことを2人はあまり気にいっていないこともインタビューから伺えた。

また、今は亡くなってしまった悪友が中学当時プリンセスプリンセスのファンでCDショップへ行くと2人でBUCK−TICKやらプリプリやらの「ハ行」のアーティストばかり見るものだから、その中にフリッパーズギターがあることも知っていた。

そんなわけで、情報としては接していたけど肝心の音に接していなかったフリッパーズだが、当時熱心に観ていた深夜のローカル音楽番組で「奈落のクイズマスター」のビデオクリップが流れた時に度肝を抜かれた。

これが、あのPATi PATiで着ぐるみを着ていたパーフリなのか?恋とマシンガンを歌ってレコ大の新人賞を獲った2人なのか?と思った。録画していたので、繰り返し何度も何度も観た。意味が解らないけどめちゃくちゃかっこいい。そう思ったのである。これはアルバム「ヘッド博士〜」※を買わねば!そう誓ったのである。飛び出す特殊仕様の初回限定盤を。

まあ今考えればプライマルスクリームの「ローデッド」※やヴェルヴェットアンダーグラウンドなんかを知っている人たちからしたら「ふん」なんて思われていたのだろう。けれどそんなの知る由もなかった当時の中2には衝撃的だった。

https://www.youtube.com/embed/CdaCDfj-nWY?rel=0

しかし、当時のお小遣いではすぐには買えず、そのままにしてしまった。それから冒頭の進研ゼミ内のマンガである。そして私は初めて彼らのベストアルバム「カラーミーポップ」※を買った。

松永良平さん著「ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック」を読んでいて、そんな私の1991年を思い出していた。


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