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新書の紹介‼︎青木康、古川順弘さん共著『地形と地理でわかる京都の謎』


青木康、古川順弘共著『地形と地理でわかる京都の謎』

宝島社新書より弟の青木康が古川順弘さんと共著で『地形と地理でわかる京都の謎』を出版しました。


京都の歴史を地形や地理などから50のトピックスで紹介しています。


平安京に遷都されてから今までの歴史について解説しています。

カラーの図解もあり読みやすいです。

「なぜ、織田信長は防御が弱い本能寺に泊まったのか」

「なぜ、織田信長は防御が弱い本能寺に泊まったのか」というトピックがおもしろかったです。


本能寺の変で織田信長は明智光秀に討たれましたが、なぜ京都でも本能寺を宿泊先に選んだのかという謎です。


本能寺は法華宗の大本山ですが、何度も他の宗派による焼き討ちに遭っています。


当時、種子島を治めていた種子島時氏が法華宗に改宗したため、種子島は本能寺の影響が強くなり、本能寺には早くから鉄砲が集まっていたという説を紹介しています。

堺商人は法華宗のネットワークを利用して鉄砲の原材料や火薬の調達を行なっていました。


織田信長が本能寺を選んだのは、鉄砲における法華宗と堺商人の力に注目していたためと解説しています。

「なぜ、二条城は東に3度傾いているのか」

「なぜ、二条城は東に3度傾いているのか」というトピックもおもしろいです。

德川家康の二条城は、時計回りに少し回転したように傾き、右肩下がりになっています。

平安京は、京都盆地北部の船岡山を基準として、中央に朱雀大路が築かれ、これに対して南北に並行して、東西には垂直に道路が作られました。

なぜ、二条城が東に傾いているかというと当時、西洋からもたらされた方位磁石(コンパス)を使って造営したためという湯口誠一さんの説も紹介しています。

また、二条城の天守閣を低層にして朝廷に配慮するという姿勢も德川家康は示しました。

よく知られている歴史上の人物を絡めながら京都の歴史をわかりやすく解説している書籍です。

50のトピックに分けられているため、小分けして読み進めることもできます。

読んでいるうちに京都に行きたくなりました。

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