見出し画像

工業高校でJKでした①【エッセイ】

 タイトルの通りです。
約十年前、私は田舎の工業高校の情報系の科を卒業しました。
 工業高校にどんなイメージをお持ちですか?
よく言われるのは、ヤンキーとオタクの巣窟。だいたい間違いありません。少しだけ訂正すると、ちょっとやんちゃっぽい人とオタクの巣窟って感じです。時代的に、THEヤンキーよりも腰パンで財布チェーンでワックスで髪の毛ツンツンウェーイ族が主流だったので。
 もちろん女子は少なかったです。私の学年は一学年350人中女子が15人程度でした。学校全体では、約1000人中女子は40人ぐらい。集会などで校歌を歌うと、女子の声がめちゃくちゃ浮くので、3年間ずっと口パクしてました。
 学校ごとに設置している学科は違いますが、だいたい
溶接などを学ぶ機械系の科
測量、土木技術を学ぶ土木系の科
設計を学ぶ建築系の科
電子回路を学ぶ電子系の科
工業化学や金属加工を学ぶ化学系の科
プログラミングを学ぶ情報系の科
デザインを学ぶデザイン系の科 などなど。
 女子は比較的情報系や化学系の科に見受けられます。そうは言っても少ないですが……。あと例外として、デザイン系の科がある高校は女子の比率も高いです。
 私は情報科でずっとプログラミングしていました。1年生前半でBASIC、後半から2年生はC、三年生でJavaを学びました。今は事務職をしているので、正直あまり生かせてはないです。でもExcelでマクロは使ってます。それぐらいです。

 高校時代を振り返ったとき、なかなか面白い環境にいたなと我ながら思うので、特に印象に残って覚えているあれこれを書き記したいと思います。

※ あくまで私の卒業した工業高校の話なので、全ての工業高校に当てはまる訳ではありません。あしからず。

☆毎週3、4時間ぶち抜きの実習、卒業研究
  「実習」という時間があります。
   工業高校は普通科目がめちゃくちゃ少ないです。国語は国語総合だし数学はⅠとⅡしかないし。理科も理科総合だったような。その分技能科目に割くのです。普通に教室で教科書開いて先生の話を聞く座学があり、それを実践する時間として実習があるのです。
  実習は3、4時間ぶち抜きで行います。
まず作業服に着替え(科ごとに色が違い、自分の名前の刺繍入り)、科の職員室(大きい職員室は存在せず、学科ごとに小さな職員室がありました)の前で整列。朝の会的な事をして、何故か筋トレ。(なぜプログラミングしかしない、半田ごてより重いものを持たない情報科も?とみんな不満げでした。機械系の科、土木系の科とかなら分かるんですけどね)
そしてようやく、小班に分かれて実習をします。終わったら、来週の実習までにレポートを提出をしなければなりません。(忘れると実習の朝の会で吊し上げられます)
 これとは別に、3年になると卒業研究の時間もあります。それも3時間ぶち抜きで、1年間かけて研究をし年度末に発表します。優秀な班は、全校生徒の前で発表するんです。鮮烈に覚えているのが、機械系の科でコナンのスケボー作った先輩と、電子系の科でギターのエフェクターを作り、会場で延々とギターソロをかました先輩です。めちゃくちゃ面白かったです。

☆部活よりも資格を取得せよ
私の高校は部活強制だったのですが、とある時期になると、電気系の科の生徒が部活に来なくなります。
電気工事士試験のためです。
6時間目まで普通に勉強した後、そのまま全員居残りをして試験のための補習を受けるのです。どんなに強い部活に入っていても、資格試験の補習が最優先です。
工業ではとにかく資格を取れと言われます。
かくいう私も何故か乙4持ってます。あと科を問わず工業高校生が受けさせられる計算技術検定。関数電卓で計算しまくる検定です。パソコン利用検定とか、情報技術検定とかも持っていたような。とにかくたくさん受けさせられます。そして先生に口酸っぱく言われるのです。
「ジュニアマイスター目指して頑張ろう!」と。
ジュニアマイスターとは、取った資格に点数をつけ(もちろん難しい国家資格などは点数が高く、先述した計算技術検定とかは点数が低い)、高得点なら表彰するし「僕はジュニアマイスターです!」と胸を張って就職できるよ〜という顕彰制度。全国の工業高校で共通でやってます。卒業後の進路として9割が就職するので、とにかく資格!資格!です。

大学全入時代とか言ってますけど、正直田舎だと「そうなの?(笑)都会の話でしょ(笑)」って感じですね。
だから、もしこれを読んでいる中学生がいて、「自分は高校卒業したら大学行かないでぜっっっったい働く」という意思が強い人がいたら、工業高校や、それのみならず商業などの実業高校をオススメします。私の兄弟は商業高校だったのですが、話を聞くとやはり商業も「資格!簿記!資格!簿記!」といった感じだったようです。手に職つけるなら実業高校おすすめですよ。ド田舎の価値観ですが……。


※※※

まだまだありますが一旦これまで…。
続きもまた書きます。

この記事が参加している募集

業界あるある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?