【映画レビュー】「BAD CGI SHARKS / 電脳鮫」(2019年 アメリカ)~オマエラ、ニンゲン、スグニサメヲアクヤクニスル~
【タイトル】
「BAD CGI SHARKS / 電脳鮫」(2019年 アメリカ 93分)
監督 マジャマ
脚本、出演 ジェイソン・エルスワース、マシュー・エルスワース、マッテオ・モリナーリ
【あらすじ】
冒頭。自らを『映画の女神のしもべ』と名乗る胡散臭い男が現れる。
この男は女神から授かったカチンコを持っており、これを使えば、(この映画内での)現実世界に映画のような出来事を起こせると胡散臭いことを言う。
そんな胡散臭い男がある日、現実世界で仲違いをしている兄弟を発見。
兄の名は、ジェイソン。弟の名は、マシュー。
この兄弟は幼い頃、大人になったら二人で一緒にサメ映画を撮ろうと約束していたのだが、兄のジェイソンがアホだと分かった二人の両親は弟マシューだけを大事に育てた。
こうして、袂が分かれた兄弟二人。
兄のジェイソンは大人になってもサメ映画を撮る夢を追い続け、弟マシューは地道に会社で働いていた。
しかし、数年後……。会社をクビになったマシュー。
落ち込む弟の元に、兄ジェイソンが子供の頃、二人で書いたサメ映画の脚本を持ってやってくる。
未だにサメ映画を作ろうとしている兄の能天気っぷりにウンザリしているマシュー。
そんな時、冒頭の映画の女神のしもべと名乗る男が現れ、謎の力でその脚本を現実化。
なんと、宙に浮く安っぽいCGのサメを現実に召喚してしまう。
しかも、そのCGサメは本物のサメと同じく人間を襲う凶悪なサメだった。
こうして、ジェイソンとマシューの兄弟二人はクソCGサメ(本編でそう呼ばれています)に襲われることに。
果たして、幼い頃の夢だったクソCGサメに襲われる兄弟二人の運命は!?
【感想】
この映画は、サメ映画好きが集まって出来たコミュニティで制作されたサメ映画である。
そのため、全体的に低予算なサメ映画になっているのだが、サメ映画好きが集まって制作されただけあり、なかなか見ごたえあり。
映画の女神のしもべとか言う男の力で、宙に浮くクソCGのサメに襲われ、低予算サメ映画にありがちなネタを次々やっていくのが面白い。
また、この映画の敵であるクソCGサメもパソコンに繋いでプログラミングすることでアップグレートが可能。知能を持って喋ったり、仲間を増やしたり、見た目が凶悪になったりと「シン・ゴジラ」(2016年)みたいに進化していく。
「お前ら、人間はいつだってサメを悪役にする」
と、本編中にクソCGサメは嘆く。
そういえば、いつ頃から、映画界ではゾンビと同じくサメばかりが悪役にされるようになったのだろうか?
すぐに悪役にされてしまうサメというキャラクターの悲壮感を感じた。
そして、主人公である二人の兄弟の苦悩も描かれており、普通の人生を生きたいが、どこかジレンマを抱えている弟。
普通に人生が生きられないぐらいのアホだが、夢に対しては真剣な兄。
果たして、二人は自分の生き方に答えを出せるのだろうか?
ちょっと斬新な内容の低予算クソCGのサメ映画だった(褒めてます)
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