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コロナ禍の思い出:アトピーと感染対策(私の場合)

アトピー性皮膚炎の持ち主にとって、感染対策は肌を傷める行為の連続だ。

アトピー肌は角質層が薄い肌をしている。
本来人の皮膚は、皮膚の細胞の上に潤いを含む角質層を重ねて、外界の刺激からの防護壁としている。
でも、アトピー患者の肌は潤い成分が欠けていて角質層が長く留まれないらしい。刺激が直接皮膚の深いところに届くのでそれだけで肌は傷つくし、刺激と痒みを感じる細胞との距離が近くなるため痒みが起きやすくなる、ということらしい。

アルコール消毒や刺激の強い石鹸といったウイルスへの攻撃方法は、自分の肌をも直接攻撃するものとなり得る。

私の家にあるハンドソープは低刺激性のものだが、外出先では強いハンドソープに出会うことが多い。
そして、コロナ禍ではアルコール消毒が建物内・店内に入る条件となることが多かった。

そのため、どうしても手指は荒れる。

これをどうにかするなら、常にニトリル素材等の手袋を身につけて生活するくらいしかないだろう。でもそれはそれで実用的ではない。

加えてマスクの問題だ。

私の場合、不織布マスクで顔の肌が荒れなかったのは幸いだった。一度だけ、マスク不足の時期に粗悪品のマスクを掴まされたことはあるものの、その後80種くらい調べてもそこまで肌に合わないマスクには出会っていない。

でも、昔顔にひどい症状ができた頃はある。この頃にコロナ禍があったらマスクの装着ができなかったと思う。

きっとコロナ禍でもマスクをつけられないアトピー性皮膚炎の患者さんがいただろう。そういう人たちのことを思うと、私には「装着できる人がマスクをする」という選択しかとれなかった。

2020〜2023年の間で、私は新型コロナを発症しなかった。感染対策が功を奏していたからだろう。そこは我ながらよく頑張った。
それでも…アトピー肌の生きにくい時代ではあったと思う。

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