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ぷるぷるプラナーでカールツァイスの沼に片足突っ込む

先日、一眼レフ(EOS 6D)からミラーレス一眼(EOS RP)に買い替えたので、EVFでのピーキングや拡大表示があればMFレンズでの撮影もハードルが低いかな?と思い、レンズ道楽としてMFのオールドレンズでも1つ買ってみようかと思いました。

大好きな写真系YouTuberの伴さんが、度々「ぷるぷるプラナー」となんとも頭にこびりつく名前を仰っていたのを思い出し、試しにマップカメラのサイトで調べたら、3~5万円程度とカールツァイスなのにお手頃価格!(金銭感覚崩壊済み)

伴さんが使ってるのはヤシコンのMMJというモデルなので、ヤシコン→RFマウントのアダプタを買ってつけようかと思ったけど、少し調べたらコシナが作ってるEFマウント用モデルがあって、しかも電磁絞りに対応していると。写りは多少違うのかもしれないけれど、手持ちのレンズは全てEFなので、EFマウントだと楽だなーということで、Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZEを購入。綺麗な元箱に入っていて使ってないんじゃない?ってくらいの美品で5万円でした。

購入したCarl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZEの実物

初めてのオールドレンズ。いやオールドってほどオールドじゃないのかな?コシナのサイトを確認したらZE(EFマウント)は2010年1月20日 発売。ということは14年弱前のレンズなのでオールドレンズというほどオールドではないなと思いつつも、ヤシコンのプラナーはShaShaのこのレビュー記事によるとMMJの発売が1985年らしいので、基本的な設計はその頃の時代のもので、写り的にも近しいのではと思います。(比較したことはないですが)

手持ちのレンズで同じ50mmの単焦点レンズは撒き餌レンズ(EF 50mm f/1.8 STM)しかないので、試しにガチャガチャ付け替えながら、家の中で適当に色々撮って比べてみましたが、単純な中央付近の解像度は、正直撒き餌レンズの方が上。いくら安くてもやっぱり新しいレンズは有利。

でも、いろんな方が仰っていますが、
       カリカリに良く写っている ≠ 良い写真
というのも事実なので、実際に色々と撮ってこのレンズにとっての向き不向きや、良いとこ悪いとこを探る旅に出ます。

まずは分かりやすく絞り開放で日の丸構図でお花というベタな1枚。撮った時はいい感じかなと思ったけど、家に帰って見返してみると、ちょっと背景がこのボケにマッチしてないかな。なんかごっちゃごちゃしてる。これでもかというほどの丸ボケがうるさい。

F1.4

開放F1.4の描写はだいぶ撮るものを選ぶと思う。まともにピントが合うのはど真ん中だけなので、構図もおのずと日の丸になりがちですし、上の写真みたいに背景がごちゃついてると、余計にごちゃついて見える。下の写真くらい背景が地味でさほど遠くないと合うのかも。

F1.4

背景にもよりけりですが、個人的にはF2.8くらいが被写体のクッキリ具合とボケ具合のバランスが気持ちいいと感じることが多いかなと思いました。そもそも日の丸構図以外の構図で撮るなら絞らないと無理ですね。

F2.8

あとは伴さんの仰る『ぷるぷるプラナー』のぷるぷる具合を見るため、水っぽい写真を撮ってみる。

F4

プルプルしてる気がする。いつもより余計にプルプルしてる気がする。気のせいかもしれない。

絞り開放で撮った別カットの中に、キラキラの反射が入っているのを見て気づいたのが、太陽の反射のようなキラキラしたものが入り込んでる写真を撮るときは、開放だと盛大にフリンジ出て気になってしまうので、基本は絞ったほうがいいですね。

F1.4 左側の反射部分にめっちゃフリンジ出てる

伴さんもいつぞやの動画で仰ってましたが、「ボケを見てほしい」という怨念を感じる「俺のボケを見てくれ写真」が世の中にはあふれまくってまして、僕的にもあまり好きではない。そもそも、被写体と背景を見ていい塩梅を探ってくのが楽しいし、上達の道なんじゃないかなーきっと。うまくないやつが言っても説得力ないのは分かってる。

さて最後は遠景(といってもそんな遠くないけど)。F5.6くらいでしっかり解像してフリンジもなくなるけど、よく見るとまだ四隅が若干描写が甘い。F8でも撮ってみましたがこちらは端の端までしっかり描写。F8のカットは通りすがりのおっちゃんが写り込んでしまったので渋々F5.6のカットを貼ります。

F5.6

開放からF5.6くらいまではの変化は劇的。絞りによってこれだけ描写が変わると、撮るものによって絞りのいい塩梅を探るのは大事ですね。

別カットですがF8で松のトゲトゲが端までキッチリ解像。気持ちいい。

F8

あと、色乗りもいいですね。RAWの状態でも軽く彩度あげたような色。こってりとしてるけど、全く嫌な感じはしない鮮やかさ。Lightroomであれこれ悩まなくても素直に現像すればいい感じ。このレンズ用のレンズプロファイルもあるのでありがたい。なぜかデフォルトではマクロプラナーのプロファイルが自動で当たってしまうんだけども。

それから、写りには関係ないけどピントリングの操作感がたまらなく良い。撒き餌レンズのおもちゃのようなピントリングとは次元が違う。というか比べるのが失礼なレベル差。道具として使いたくなる魅力を備えてる。

操作感が最高のピントリング

まぁこんな感じで、まだ買ってから数回しか持ち出していないですが、もし開放からキッチリ・パッキリ・クッキリ写る現代レンズだったら考えなくていいことを色々と考えなくてはならないのが、逆にレンズ道楽的で面白い。伴さんの言葉を借りれば「至らない所を楽しむ」ってやつですかね。

まだまだ僕が見つけられていない魅力がたくさん詰まっていそうなレンズでワクワクします。

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