見出し画像

ハンガリーでSIMカード買おうとしたら、おかんの名前を聞かれた話

スマートフォンが普及した今、旅行者にとって大事な物と言えば、地図よりもパンツよりもSIMカードじゃなかろうか。

パンツを1週間替えなくても道に迷ったりしないし、入国して『1週間google翻訳が使える権利』と『1週間毎日パンツを替えられる権利』のどちらが欲しいかと聞かれたら、間違いなく前者を選ぶ。

大事なことなので言っておきますが、普段はちゃんと毎日パンツを替えてますからね。酔っぱらって帰って来たってちゃんと風呂に入って、ちゃんと綺麗なパンツ履いてます。旅行中だって、(基本的には)ちゃんと替えてます。

独身時代にはいろんな国を旅したけど、ガラケーがスマホに変わって以降、空港に着いたらまずやることはSIMカードの調達。まぁ、到着した時間によってはお店が閉まってたりするので、その時はソワソワしたまま空港を出ますが。。。

今回、妻の実家に帰省するために、3年ぶり5回目のハンガリーへの渡航。義母が手配してくれた空港からの送迎サービスの時間が、飛行機の到着予定時刻に対してタイト過ぎて、空港でSIMカードを買う時間がなかった。なので翌日、近くのショッピングモールのボーダフォンショップでSIMカードを買うことに。

店員からプランの説明を受けて、買う旨を伝えると、店員さんがメモ用紙とペンを渡してきて、妻に何か言った。そして、妻は私に英語で通訳してくれた。

『メールアドレスと、お母さんの名前書いて』

なんでオカンの名前やねんと思いつつも、妻は慣れない長旅で、だいぶお疲れになったんだと思って、丁重に聞き直したが、

『メールアドレスと、お母さんの名前書いて』

と。

僕『なんで?』
妻『いいから書いて』
僕『お母さんって俺のお母さん?』
妻『そう』
僕『なんで俺のお母さんの名前いるの?』
妻『いいから書いて』
僕『前に空港でSIMカード買った時はこんな事書かなかったよ?』
妻『いいから書いて』

どうやら正気らしいので、とりあえず書いて、店員にメモ用紙を差し出し、しばらくして無事にSIMカードをゲット。

帰り道に、なんでオカンの名前がいるのかを聞いたら、
『自分のフルネームだけだと同姓同名が結構いるでしょ?しかも、普通お父さんの名字が自分の名字になってるから、お父さんのフルネームの一部は含まれてるわけ。だから、自分の名前に含まれていないお母さんのフルネームを自分のと組み合わせると、他人と被る事はほぼないから、本人確認のために、お母さんの名前を聞かれるって訳』

との事。ふむふむなるほどと思いつつも

『でも、身分証明書としてパスポート出してるんだから意味なくない?』

と聞いたら、

『まぁもはや現代では意味ないけど、昔からの流れでいまだに残ってるんだよね』

だそうな。へぇ~。

実質的にはなんの意味もないのに、昔からの惰性で残ってるあたり、日本のハンコ文化に近しいノリを感じた出来事でした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?