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【神門レポート】札幌市除排雪システム大全

割引あり

2023年1月25-26日、日本列島を10年に1度と言われるほどの大寒波が襲っている。25日11時現在、すでに岡山県真庭市では約90cmもの積雪量を記録し、九州ではほぼ全ての高速道路で通行止め、JR各社も終日運休を余儀なくされている。

どうやら、この大寒波は1日遅れて北海道を襲うようだ。26日朝までの降雪量は札幌市で60cmの予想であり、誰がどう考えても26日は1日中交通機能が麻痺するだろう。2022年はドカ雪(1日の積雪量が多いこと)がゲリラ的に何度も発生したため、JR北海道は終日運休を何度も繰り返した。3月頃には道民もそれに慣れてしまい、「なんだ今日もか」という言葉が自然と出るほどであった。

札幌市は世界でも稀な都市である。

人口を100万人以上抱える大都市の中で年間積雪量が500cmを超えているのは世界中で札幌市、ただ1つだけなのである。さらに札幌市は基準値である100万人の2倍以上もの人口を抱えているまさに大都市である。札幌都市圏の人口は北海道の約半分(250万人)であり、北海道は人口的に見ると実に歪な地域である。この人口に関してはまたの機会に。

引用:日本と世界の統計データ

さて、そんな世界的にみても稀な降雪都市札幌であるが、戦後は自動車中心の都市にますます変貌していった。市街地はどんどん外延的に拡大していった。この市街地(居住地)の拡大は様々な弊害をもたらしたと言っても過言ではないと思うが、その1つに、札幌市における2021年度の大規模交通麻痺が挙げられる。

断言しよう。市民の脳裏に焼き付いている、あの2021年度の悪夢は除排雪システムのうち、排雪システムに大きな欠陥があったのだ。もちろん、除雪のオペレーションの問題点なども挙げられるが、より大きな問題は排雪システムにあるとみている。なぜなら、除雪しても排雪しなければ雪は溜まる一方だからである。当然の話であるが。。。

実は、2022年の9月ごろから2ヶ月に渡り友人の助けを借りながら除雪ビジネスでの起業を画策していたことがあった。この時に、札幌市の職員の方からも除排雪システムについて色々なことを教わった。現場と管理側の調整の難しさであったり、そもそもどのような除排雪システムなのか、という基本的な部分などといった、多岐にわたることを聞いてきた。今回の記事にはそういった事実をふんだんに盛り込んでいる。

市民の生活と雪は密接な関わりを持っている。日常的に除雪もするだろう。しかし、道路の除排雪は行政が勝手にやってくれていると思っていないだろうか?毎年、いくらの予算が除排雪に費やされているかご存じだろうか?

多くのサイトや行政のページを読んで札幌市の除排雪システムを調べたが、ここまでまとまっているのは恐らくないと思われる。札幌市民の方々にはぜひ、読んでいただきたい非常にボリューミーな内容になっている。

この記事を読んだら、札幌市の除排雪システムに相当詳しくなること間違いなしです。

それでは。

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