【フリーランスエンジニアが仕事もせずに巡礼してみた2023】§14 巡礼14日目 え、ウソ。そりゃないよ。
§14-1 出発
2泊目なので、朝食の勝手も分かっている。
すぐ済ませて歩き出す。
と言っても、もう8時。
遅い出発。
陽が出る前に距離を稼ぐのが夏の巡礼のコツかもしれない。
途中でディアナから電話がかかってくる。
後ろにいるよ!
振り返ったら100mぐらい先にディアナとジョルディがいた。
再会して一緒に歩き出す。
ディアナはすごく疲れているようで、かなり歩くのが遅かった。
疲れているし、足に何か怪我があるらしい。
マメなのか、傷なのか、捻ったのか、その辺はよくわからなかった。
疲れているディアナより少し速い、ぐらいの速度で僕は歩いている。
僕の普通の速度がこれなので、多分歩くのが遅い部類に入るだろう。
元気なおばあちゃんに追い抜かれるし。
歩き慣れていないからなのか、怠惰なのか、筋肉がないのか。
まぁ、今のところ順調なのでよしとする。
途中、古い教会があった。
中を必ず見た方がいい
そんな注意書きがあったので向かってみたが、閉まっていた。
今日は開かないのか、遅い時間から開くのか。
スペイン語でみんな話しているがわからない。
ご縁がなかった、ということで。
また、歩き出す。
休憩所というものがあった。
今日の道はアップダウンが激しく、日陰も少なく水も足りない。
ちょうどよかった。
§14-2 昼ごはん
昼ごはんを食べながら、昨日アルベルゲに送ったメールが返ってこないことをディアナに話す。
「助けてあげようか?電話してあげるよ?」
ディアナに宿へ電話してもらう。
ヒホンにはアルベルゲが2つあるが、どちらも満室のようだ。
困った。
前の街のアルベルゲに電話してもらう。
予約が取れた。
場所を調べると、巡礼路から大きく外れた場所にあった。
ただ、評価が高いのでいいところなのかもしれない。
アルベルゲから宿のルールなどのメッセージがたくさん送られてきた。
翻訳したが結局どうしたらいいのかわからない部分もあった。
とりあえず明日考えよう。
§14-3 ちょっと待ってくれ
ディアナと別れてアルベルゲに着く。
予約したと伝え、メールも見せているが、予約表にないと言われた。
スペイン語で何か言われているが、全くわからない。
何度も名前を伝えると、
今日はもう満室だよ。昨日の夜にそうやってメールしたよ。
とのこと。
確かにきていた。
これは見た。そしてわからないからgoogle翻訳にかけた。
え、完了したって書いてあるから予約できたと思っていた。
これは宿が満室だと書いてあるらしい。
終わった。
ゆっくりご飯食べてる場合ではなかった。
今日は泊まれません。
え、ウソ。そりゃないよ。
§14-4 救世主
このやりとりを隣で見ていた男性がいた。
彼は受付のおばちゃんに用事があるみたいだった。
こちらが終わってからでよい、という態度で横で待っていたが、急に
ニホンジンデスカ?
と日本語で聞かれた。
そうです!
と答えてみる。
おばちゃんが
ちょっと時間かかる、他の宿に電話してみるから。
みたいなことを言うと、
「ベッド空いてるから、シェアするか?」
との嬉しい申し出が。
彼は2段ベッドの部屋を1人で使っているらしい。
助かった。
とりあえず今日の宿が確保された。
トーマスデス。イギリス人デス。
と日本語で挨拶してくれた。
鍵を渡してくれて、彼はどこかへ。
シャワーを浴びた。さて洗濯物。
しまった、今日は宿のことを受付のおばちゃんから何も聞いてない。
干す場所あるのかな。
とりあえず受付へ向かう。
おばちゃんいない。
ウロウロする。
洗濯機を見つけた。知らないおばちゃんいる。
スペイン語でめっちゃ何か言われる。
洗濯したいとなんとか伝わった。
というか、おばちゃんが何か言ってて洗濯っぽい単語なのだろうと推測して頷いただけ。
洗濯機は3.5€らしい。
手洗いでよかったんだけどなぁ。
しょうがない、今日はよくわからない日だからお金で解決するならもうそれで。
とりあえず払う。
1時間後に来い。
それだけ英語で言われた。
§14-5 ATM再び
現金がないので引き出したい。
またATMか。とりあえず近くのところを見てみる。
知らないボタンしかない。
お金を下ろすボタンは、
コードを利用してお金を下ろす
しかない。
他のATMにしよう。
次のATMもなんだかわからない。
次へ。
サンタンデール銀行のATM。
ようやく知ってる手順のATMに巡り会えたが、手数料が高い。
一度やめた。
周りを探す。近くにもうATMは見当たらない。
一旦スーパーで明日の水を買う。
そしたら1時間経っていたので宿に戻り、洗濯物を回収。物干しロープへ。
この時もまた違うおばちゃんがいた。
もう一度ATMへ。
結局サンタンデール銀行のATMしかうまく操作できそうにないので、手数料を諦める。
結局手数料で12€かかった。
こんなもんなのかな。
モヤモヤする。
§14-6 そのまま何もできずに
お腹も減らない。酒を飲む気にもならない。
でも野菜食べたい。
お昼を食べたバルへ向かってみる。
そしたら隣のバルにルームメイトのトーマスが、誰かと飲んでる。
目があったので会釈したら、
「ルームメイトの日本人だよね?」
と確認された。
そうです。あなたのお陰で今日も生き延びてる日本人です。
そんなことが言えるほど英語力はない。
YES!YES!
これが精一杯。
せっかくちょっと話したのにわざわざ隣のバルに入るのも気まずいので、ちょっとだけ街中を見てから宿に戻る。
酔っ払いに絡まれる。
ラーメンと食い倒れが好きなんだ!
みたいなことをスペイン語で言っている。
それ以外は全く分からん。
座れ!座れ!
と勧めてくるが、怖いので断る。
アルベルゲの前にも話しかけてくる人が。
絡まれる。
座れと言われる。
とりあえず座ってみる。
英語で何か言ってるけどわからない。
英語わかるか?
わからない。
スペイン語は?フランス語は?ドイツ語は?
全部分からん。
諦めてくれた。
クスリを勧められている、もしくはお金を要求されているのでは?と思うような仕草や単語が聞こえてきたので立ち去る。
あー、怖い。
周りには巡礼者ばかりいたせいで、こういうの忘れていた。
気をつけよう。
お腹も減らないし、宿で暇つぶし。
久しぶりにYouTubeとか見てみる。
22:30を過ぎてもルームメイトのトーマスは帰ってこない。
彼に迷惑かけてはいけないし、明日は早くここを出よう。