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試合期のセルフケア −肩関節–

|はじめに

C-I Baseball育成メンバーの新海 貴史と申します。

記事を読んで下さっている皆様、いつもありがとうございます。

今回は肩関節に対する試合期のセルフケアについてご紹介していきます。

年単位で考えると、4月からは「試合期」と呼ばれる時期になります。この時期は試合に向けたコンディションとして、疲労を溜めすぎずに回復させることが大切になります。

コンディショニングをすることがなぜ重要なのでしょうか❓

野球の試合・練習をスケジュール的な観点から見てみると年間を通して過密なスケジュールでの試合が行われます(画像はあくまで例になります)。

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当たり前のことではありますが、このような条件で投球が繰り返されると身体には負荷がかかり続けます。だからこそ常にコンディションを整え続けることが重要となります。

笠原政志,谷川哲也.野球.競技種目特性からみたリハビリテーションとリコンディショニング.山本利春 編.東京:文光堂;2014.p117-33

🔽各時期のトレーニングについての考え方は下記noteを参考にしてみて下さい。

|肩のセルフケアを行う意義

肩関節は投球動作において大きな貢献度を持つ関節であり、それ故に大きな負荷がかかります。

一般的に野球選手の肩関節では外旋可動域が拡大し、内旋可動域が減少することが報告されていますが、2nd外旋可動域と2nd内旋可動域の総和(=TRM: Total Rotational Motion)をシーズンを通して維持していくことが重要になります。

このTRMが減少することによる投球障害のリスクは先行研究によっても報告されています。

Wilk KE et al.:Correlation of glenohumeral internal rotation deficit and total rotational motion to shoulder injuries in professional baseball pitchers. Am J Sports Med.2011;39 (2): 329-335

また投球動作において肩関節で十分な出力を発揮できなければ遠位の肘関節や前腕・手指でその機能を代償するようになり、肩関節以外の障害にも繋がる可能性があります。

🔽下記noteの”投球後のリカバリー”の項目も是非参考にしてみて下さい。

シーズンを通して負荷がかかり続けることにより疲労していく肩甲骨、肩甲上腕関節周囲筋の筋出力と可動域を維持し続けるための運動をいくつかご紹介していきます。

|ストレッチ(広背筋・肩後方)

■広背筋ストレッチ

広背筋〜大臀筋の筋膜連結(後斜系)を意識したストレッチです。

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番外編 〜パートナーストレッチ〜

パートナーがいる場合は動画のように自動運動の最終域で引っ張ってもらい最大限に広背筋を伸張させる方法もあります。


■肩後方ストレッチ

肩後方筋群に対するストレッチとしては「クロスボディーストレッチ」や「スリーパーストレッチ」などもありますが、選手によっては肩の痛みを誘発する可能性もありますので、今回は四つ這いでのストレッチを紹介します。

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川井 謙太朗,舟崎 裕記,林 大輝・他:投球障害肩における肩関節 2nd 内旋制限に対するセルフストレッチ方法の比較─ 即時効果判定─.理学療法学,2016, 31(1): 13-17.

|腱板エクササイズ

■チューブエクササイズ

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セラバンドを用いた内旋エクササイズの個人的POINT👆

セラバンドに対して真横に立つのではなく少し斜めに立つことによって内旋最終域まで抵抗がしっかりとかかります。

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■側臥位内外旋エクササイズ

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|前鋸筋エクササイズ

前鋸筋のエクササイズではon elbowで行う「スキャプラプッシュアップ」が有名ですが、投球動作におけるリリース時の押し込みを考慮すると肘伸展位でのエクササイズが有用かと考えます。

■四つ這いでのエクササイズ

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■壁を使用したエクササイズ

前述した四つ這いエクササイズに加え、投球動作をより意識した立位でのエクササイズになります。

踵を少し上げて前方に重心をかけるようにして実施して下さい。体幹が側屈しすぎないように注意します。


|コーディネーションエクササイズ

リリースでの出力をキープする、収縮のチェーンを繋げるためのエクササイズです。下肢〜体幹〜上肢への力の伝達経路をコーディネートしていきます。

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セルフケアの内容は以上になります!👆

|まとめ

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今回ご紹介したのはほんの一例であり、肩関節のセルフエクササイズは数多く存在します。その中で実際に行ってみて、自分に合ったストレッチやトレーニングを選択していただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が一人でも多くの野球選手のためになれば幸いです。

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🔽下記URLより記事を読むことが可能です!





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