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読書29 『この世界で君に逢いたい』

   藤岡陽子著

 京都の大学院に通う周二は二十七歳。恋人の夏美は五歳年上で、東京でウェブデザイナーの仕事をしている。
 夏になると心身の調子を崩す周二の気晴らしになればと、夏美が計画して与那国島に旅行に来ている。

 与那国島でサトウキビの製糖工場や米やバナナの栽培など、手広く営んでいる榮門は、家庭環境に問題のある未成年者や、社会とうまく関われない子どもたちを受け入れていた。
 十五歳の花もその一人だった。花は何かを探していたが、その何かがはっきりわかっていなかった。

 与那国島に旅行に行った周二が、花と出会ったことで何かに気づくが・・・。
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 気がかりなことを残して、この世を去らなければならなかったこと。そして残されたものの後悔。それらを辿りながら、あのときの悔いを吐き出すことができたなら、何かが変わるのかを問い続けます。

 説明が難しいスピリチュアルな要素があります。信じる信じないはそれぞれだと思います。

 読んでいて苦しくなりますが「しあわせになるために生まれてきた」という言葉は心に響きました。

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