深田萌絵氏帰国記念講演「静かなる侵略と日本の未来」を聞きに行った
本日、浜松町の産業貿易センターで、深田萌絵氏帰国記念講演「静かなる侵略と日本の未来」を聞きにいった。
深田萌絵さんはITビジネスアナリストであり、RevatronのCEO。Revatronは、コンピュータ設計、チップ・ソリューション、AI高速処理設計を国内の大手企業に提供する会社であり、アメリカにも法人があり、エンジニアを抱えている。
また、テクノロジー関連の著作も複数出されており、人気YouTuberでもある。私も深田さんのYouTube番組を視聴したりメルマガを購読している一人である。
今回、講演会を聞いて、深田さんが「日本の中国化」を阻止し、日本の企業、日本の未来を守るために本気で戦っている姿勢をみて、胸が熱くなった。
最新刊「ソーシャルメディアと経済戦争」にも詳しく説明されているが、日本は確固たる国家戦略もなく、中国による静かなる侵略で国益も損なわれ、国が衰退していくことになるだろうと深田さんは警鐘を鳴らしている。
台湾の半導体大手TSMCは世界シェア55%と圧倒的シェアを誇っており、日本政府はTSMCの半導体工場を日本に誘致する計画を立てている。
しかし、TSMCは中国政府と深く結びついている。TSMCは、チンパン系が創業した会社である。チンパンとは、大陸から来た中国人によって組織された秘密結社の一つで、台湾系IT企業群として世界各国を舞台に活躍している。
TSMCは、中国の半導体メーカーSMICの株主でもあるが、SMICにチップを供給している。SMICもチンパン系の会社であるが、中国解放軍にチップ供給を行なっている。
日本は半導体製造こそ存在感は薄いものの、半導体の素材や製造装置では、世界のトップ水準を維持している。したがって、日本にTSMCの工場を誘致することは、日本のパッケージ技術などの技術移転により、TSMCを通じて中国へ基幹技術が流れてしまう可能性がある。
現在、TSMCの半導体供給が足りずに、車載用などで半導体不足が社会問題化しており、自動車の生産にも影響を与えている。TSMCのこれ以上の拡大は中国を利することにも繋がるため、日本は、TSMCを優遇するのではなく、サムスンやインテルとの関係を強化する必要がある。
アメリカは、TSMCと中国との関係に気づいてきており、サムスンの工場誘致を認め、インテルも競争力向上に向けて巻き返しを図っている。
対して、日本の保守系の政治家たちは、TSMCが台湾企業だということで、日本への工場誘致を歓迎し、それが将来、日本の国益を損なうことになるだろうとは考えていない。
このままでいけば、中国寄りの姿勢を見せる日本の現状をみて、アメリカも日本を見限り、将来、米インテルの半導体の調達にも支障が出てくるだろう。