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写真で辿る旅行記 vol.12 富士山 2014年

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#写真で辿る旅行記

富士山は小さい頃から身近な存在だった。神奈川県西部の実家はベランダからでも富士山が見えた。富士五湖にも家族でよく遊びに行った。

いつか登ってみたいと思っていて、最初の機会が訪れたのは2012年。会社の同僚に誘われて、同僚の友人たちと登ることになった。

登山ルートは一番オーソドックスな吉田ルート。夕方くらいから登り始め、7合目付近の山小屋で仮眠して高地順応もした上で、頂上でご来光を見て降りてくるといるプランだった。

直前に用事があったため、私は一人で遅れて登り始め山小屋で合流することになった。夜暗い中を初心者が一人で歩く恐怖はありながらも、無事に山小屋で合流もできてまずは一安心。

さあ、と気を入れなおして真っ暗闇の中を再出発。だが、天候が悪化し雨が降り始めていた。登るにつれて雨風は強くなる一方。周りには引き返す人も出始めている。

何とか山小屋までたどり着いて休んだものの、濡れた手足の先からどんどん冷えて、真夏だというのに体が震える。上から引き返してきた人の話では、上はさらにひどく危険な状態だという。

せっかくここまできたのに、という思いは捨てがたいが、明らかに危険であることは経験が浅い自分でも分かる。

全員納得して山小屋まで引き返し、そこで朝まで待って帰ることにした。

高山の怖さを身をもって体感した。軽装で山に登る人に警鐘を鳴らすのは正しい。問題なく登れているのは運が良いからで、運が悪いと危険な状態に陥ることもありえる。

かくいう自分もバックパックやレインウェアなどは登山用を揃えていたが、靴や手袋は油断して普段使いのものを使っていた。好天なら良くても、強い雨に濡れたら全く役に立たないことを思い知らされた。

ようやくリベンジの機会がやってきたのは2年後の2014年。大学の友人から唐突に「富士山登ろうよ」と連絡があり、二つ返事で承諾した。

今回は登る前から綿密に計画を立てた。

まずルートと時間帯。前回は吉田ルート×ご来光という一番人の多いコースを選んでしまったので、あえてご来光を完全に捨てることにした。

ルートは人が少ないと言われている須走ルートにした。朝早くに出発して頂上まで行き、そのまま降りて夕方までに登山口まで着くという日中日帰りでの登山計画だ。

もちろん、前回の反省を生かして、全ての装備をきちんと登山用で揃えた。

結果的にこの登山計画は間違っていなかった。全行程を通じて人は少なく、ほとんどストレスなく自分たちのペースで登ることができた。

Evernoteに登山記録を残してあったので、そこから計画と実際の時間を引用する。(こういう記録は貴重だ)

【登山スケジュール予定/実績】
登り:6時間27分
下り:2時間28分
* 登山開始 9:00/8:49
* 六号目 10:00/10:01
* 本六号目 10:30/10:37
* 七合目 11:30/11:39
* 本七合目到着 12:00/12:10
* 本七合目出発 12:30/12:40
* 八合目 na/13:10
* 本八合目 13:30/13:55
* 八号五均 na/14:14
* 九号目 na/14:53
* 頂上到着 15:00/15:16
* 頂上出発 16:00/16:10
* 七合目 17:30/17:20
* 登山終了 19:15/18:38

あいにく登山口からずっと霧に覆われてほとんど視界が無かったのだが、登るにつれて視界が晴れ、8合目くらいからは青空がのぞいてきた。さらに登ると眼下には雲海が広がる。

9合目からは上は、空と雲と富士だけの静かな世界だった。そこでは空の色がより青く、太陽の光がより強く感じられた。頂上の直前に撮ったこの写真にもそれが表れている。

山登りは、ありのままの自然を感じながら、歩くことで頭を空っぽにできるので、今でも好きなことの一つだ。

実は両親も一生に一度くらい富士山に登ってみたいと言っている。今年はコロナウイルスのために登山ができないけれど、来年は両親を連れて行こうか。

写真で辿る旅行記 vol.12 富士山 2014年

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