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写真で辿る旅行記 vol.2 タイ 2016年

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#写真で辿る旅行記

タイ・タオ島のことを初めて知ったのは、行きつけの美容師さんからだったと思う。その人はタイの島が好きで、特にバンコクから南に下ったマレー半島沿いにある島が綺麗だと言っていた。その記憶があったから、彼女が旅行の候補先としてタオ島を提案してきたとき、ほとんど悩むことなくその提案を受け入れた。

タオ島への行き方は2つ。1つはバンコクからサムイ島まで飛行機で飛び、そこから船を使う方法。もう1つは、バンコクからマレー半島沿いにバスで南下し、そこから船を使う方法。サムイ島に立ち寄れることにも惹かれたが、費用の面を考えて私たちは後者を選んだ。

ロンプラヤ社のバスは、カオサン通りから少し歩いたところにあるバスターミナルから出発する。ターミナルといっても、特別な目印のない幅の広い通りに長距離バスが断続的に到着するというだけ。通り沿いには長距離バスを待つ観光客が群がり、バスが到着するたびに自分の乗るバスかどうかを近づいて確かめては、残念そうに離れていく。

夜の暗さの中、必死に目を凝らして何とかバスを見つけ、人混みに負けずに近づいて何とか乗り込んだ。

深夜にバンコクを出発した夜行バスは、空が明るみ始めるくらいの時刻に港に着き、そこでタオ島への直通フェリーに乗り換える。改めて周りを見ると、自分たちと同じようにバックパックを背負った旅行者が多く、スーツケースを持っているような人は少ない。観光大国タイの島とはいえ、夜行バス-フェリーと乗り継ぐような旅行者は多数派ではないようだ。

タオ島は南北にやや縦長で西側が緩やかに窪んだ形をしている。地形が山がちなこともあり、この西側の海岸線に沿って町が広がっていて、主要なビーチもこのエリアに点在している。改めて地図を見ると、決して大きくない島の大部分が山で、一部の標高の低いエリアに沿って町が作られていることが分かる。

タオ島の魅力は海。中でも、タオ島の北西に寄り添うようにして浮かんでいるナンユアン島は、海の透明度が抜群でシュノーケルに最適だ。2つの円錐型の山をつなぐようにして弓なりに砂浜が広がっており、その両側がシュノーケルスポットになっている。

水深2-4mくらいの世界に色とりどりの魚が住んでいる光景は、いつまで潜っていても見飽きることはなかった。

ナンユアン島から帰った夕方、ビーチにあるバーで夕焼けを見ていくことにした。海岸線がまっすぐ西向きのため、夕焼けに正面から向かい合う形になる。太陽が水平線に近づいて空の色が変わり始めると、今日の夕焼けは美しくなりそうだと確信できるような色合いになってきた。

この写真はまさに日が沈む直前。水平線に浮かぶ太陽から放射線状に延びた光が雲を赤く染め、空は自分の背後から少しずつ紺色の帳を広げていく。生活に根付いたボートが穏やかな海に浮かぶ。そのボートも、砂浜を歩く人も、全ては太陽を背にして影絵のよう。

空の色合い、ボートと人影のバランス、画面の上に少しだけ現れたヤシの木の構図など、自分自身でもかなり気に入っている1枚。

写真で辿る旅行記 vol.2 タイ 2016年

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