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「今日の私は”鬼に5個金棒”」の災難。

ここ数日、あまりよく眠れない日々が続き、疲れは取れず、体調もままならなかった。
しかし、今日は打って変わって朝までぐっすりと眠れ、気持ちよく目覚めることができたのであった。

「今日は久々に体調が良い、素晴らしい朝だ!」

そんな清々しい気分のままにパソコンを起動させると、受信メール数が「777」で迷惑メール数が「77」だった。

普段の私生活において、幸運とされる数字「7」がこれほどまで揃うことがあるだろうか?

これは今日1日良いことが立て続けに起こるんじゃないか?
今の私ならば、高額宝くじに当選するのではないか?
すぐにでも川村文乃さん似の彼女ができてもおかしくはないんじゃないか?
いや、川村文乃さん本人が求婚を迫ってくるのではないだろうか?

そう予感させる縁起の良い出来事であった。

私は優雅に神々しい太陽の灼熱光線を浴びながら、アイスコーヒーを飲みつつ今日は何をしようか考えた。

今日は何をやっても上手くいくはずだ、いくに違いない。
なんせ今日の私は7が5個も揃ったのだから。

まさに今の状態は、「鬼に金棒」よりも強力な「鬼に5個金棒」と言ってもいいだろう。
まさに無双状態。
まさに向かうところ敵なし。
まさに天下無敵。

「そうだ、せっかくだから何か普段やらないようなことをやろう」

そして、ふと思いついた。

「家具の配置換えをしよう」と。

前々から机と本棚をもう少し窓側に寄せたいと思っていたんだ。
普段であれば面倒でなかなか実行に移すことができない「家具の配置換え」ではあるが、今日の私は違う。
だって、今日の私は7が5個も揃ったのだから。
それに川村文乃さんが求婚を迫りにうちに来た際のことを考え、部屋をよりオシャレにしておいたほうが良いであろう。

コーヒーを飲み終えた私は、さっそく配置換えをしようと、まずはテレビの前にあるソファをどかし・・・


ボコッ!!!!!

聴きなれない轟音が部屋中に鳴り響いた。
何か固いものが激しく当たったような・・・まるで壁が砕けるような・・・そんな重低音であった。

「ボコッ?はて?」

気付くと壁に修復不能なほどの大きい穴が開いてしまっていた。

それと同じくして、私の心にも修復不能な大きい穴が開いたのであった。


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