40代妻子持ちの転職活動振り返り④(引き継ぎ編その3)
氷河期世代の中年サラリーマン、takaです。
15年以上勤めた中小企業から、プライム上場の中堅メーカーへの転職が決まりました。転職活動の経緯や背景、感じたことなどを連載します。
転職先を見つけるまで
転職活動開始から内定受諾までの経緯は別の記事にまとめましたので、こちらをご参照ください。
引き継ぎのフロー
以下の流れで引き継ぎを実施しました。今回は以下の太字項目についての手記となります。
引き継ぎのスケジュールを検討する
退職の意思を伝える
引き継ぎ先を決める
関係者と調整する
業務を洗い出して文書化する
引き継ぎ先へ説明する
クライアント(顧客)に挨拶する
ベンダー(外部スタッフ)に挨拶する
書類関係の手続きを確認する
菓子折りを選定する
私物を少しずつ持ち帰る
最終出社日
前回の手記は以下を参照ください。
業務を洗い出して文書化する
実務においては、案件の分野ごとに標準プロセスがあるので、それに則って進めています。管理業務も基本的には「いつも同じことを繰り返している」のですが、それをまとめた標準資料のようなものは社内には存在しませんでした。
となると、自分で書き出すしかありません。
月締めの工数管理や勤怠処理。スタッフの稼働や案件の採算など、各種報告資料の作成。受発注の請求書、帳票処理、などなど…。
項目に漏れがないように、日常的に使用しているタスクツールから項目をCSVにエクスポートし、Excelで表組にしました。
ルーティンワークを月単位や年単位で分類してリスト化し、時系列に並べました。
この作業はいつやる必要があるのか
どのくらいの時間がかかることなのか
これらの要素を含めながら表に落とし込みました。
後任者が当該業務の経験者だったら、このリストだけでも引き継げたかもしれませんが、後任のA氏は現場担当レベルのスタッフであり、リーダー経験がありませんでした。そのため、各作業の意味や目的・背景なども含め、読んだだけで作業が完結できるように別途手順書も作成しました。
引き継ぎ資料の作成には30時間以上を要したと思います。
特に数値管理系の資料は、Power Queryやピボットテーブルで効率的にアウトプットできるようにしていたのですが、後任のA氏にはそこまでのExcelスキルがありませんでした。
そのため、Excelの基本的なことや応用的な部分はどこぞのExcel講座を見てもらうとして、私が作ったフォームの最低限の情報更新をする手引きだけ、手順書に落とし込みました。
それでも、引き継ぎ書は100ページ以上のボリュームとなってしまいました。
引き継ぎ先へ説明する
どんなに手の込んだ資料を作っても、口頭で説明を受けるのとそうでないのとでは、受け手の理解度は雲泥の差となります。教科書を見ながら授業を受けるのと同じように、引き継ぎ資料を使って口頭説明を実施しました。
日程的に間に合わないため、引き継ぎ資料が7割ほど完成したところで、説明会を始めました。1対1の対面式で引き継ぎ資料を読み合わせ、実際に作業で使用するデータを開きながら解説しました。
各2時間ほどの説明会を5回ほど実施しました。
資料を渡されて説明を受けても、実際に手を動かしてその作業を経験しない限り、本当の意味での「わかった」にはならないのでしょうが、そこまで気にかけていたら手取り足取りOJTするしかなくなってしまいます。
そんな時間は残されていないので、理解が難しいと思しき作業項目は、上司や他のリーダーと共有してフォローしてもらうようにしました。
「あとはよろしく」と雑に投げたくなる気持ちをグッと堪えながら、「お願い」をしました。
クライアント(顧客)に挨拶する
自身が要職にある場合、自分の退職を顧客にどのように伝えるかは、自分自身の判断で決められることではありません。自社の成果物への品質懸念を抱かせたり、体制不安から発注量を絞り込まれることにもなりかねません。
もちろん、私個人の想いとしては、お世話になった方々にきちんと退職することを伝えたかったです。10年以上のお付き合いをしてきた方ばかりで、仕事のやりかたを学ばせていただいた、と言っても過言ではありませんでしたので…。
大人の事情により、退職する旨は伏せて「異動」という形になりました。
引き連れて行った後任とは事前に口裏を合わせて、挨拶回りを済ませました。
不義理ですが、会社命令なので仕方がありません。
ほとぼりが冷めた頃に連絡してみようと思います。
ベンダー(外部スタッフ)に挨拶する
社内のリソースだけでは業務を回せないため、日頃からさまざまな外部スタッフに業務委託しています。
特に、レギュラーで活躍してくださっているフリーランスの方々は、かれこれ10年以上の取引実績があり、誰一人として欠くことのできない戦力です。チームの一員として、仕事が途切れないように配慮し、関係を繋いでいます。
彼らの自宅近郊まで訪問し、カフェの一角で会話することにしました。彼らが顧客と直接連絡を取ることはまずないため、漏れ伝わってしまうこともありません。
私が退職することを伝えると、目を丸くして驚かれました。しかしながら、下請けの制作会社という立ち位置から、上流の開発会社への転職となることを彼らは応援してくれました。
「あなたにとっては、きっとそのほうがいいと思います」
最後の挨拶先への訪問が終わると、肩から背中にかけてドッと何かが抜け落ちたように感じました。
やるべきことは、すべてやったとおもえたのはこのときでした。
以下の記事に続きます。
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