【学生向け】ポートフォリオのすすめ
はじめに
多くの学生さんはポートフォリオを作るときに頭を抱えていると思います。質問箱でも質問を頂くことが多いので、この記事を読んで少しでも助けになれば幸いです。※あくまで個人の見解です
量 vs 質
「何を入れればいいのかわからない」という声をよく聞きます。これは永遠の課題で、学校の先生によっても意見が分かれるところです。
もちろん、量も質もどちらも充実しているに越したことはありませんが、私個人的には“質”を重視しています。
量優先が駄目な理由
量が多いことが必ずしも悪いわけではありませんが、質の高いものでなければ意味がありません。
とくに「チュートリアルをやってみました」系の習作は点数が多くても評価するのが難しいです。単に模倣するのではなく、自分のアイデアや独自の解釈を加えて作品に反映させることがポイントです。
ポートフォリオは、単に数を増やすことよりも、自分の熱意やアイデアが反映された作品を選ぶこと大切です。
チュートリアルの活用方法
チュートリアルをすること自体は悪くありません。実際、仕事中にもチュートリアル系の動画を見る機会は多いです。問題は、チュートリアルをそのまま(習作の状態で)ポートフォリオに載せることです。
例えば、「炎のエフェクトを作りたい」と思ったら、
「チュートリアル視聴」→「チュートリアル通りに作る」→「作品に自分のアイデアを反映させる」という流れが理想的です。
悪いポートフォリオだと、ただチュートリアル通りに作ったものが掲載されていて、中身やアイデアがないことが伝わってしまいます。
チュートリアルを見たなら、模倣で終わるのではなく、自分の中でのアイデアや解釈を加えて作品に反映させることが大切で、自らの創造力や表現力を伸ばすことが重要です。
ポートフォリオの評価ポイント
学生さんが最も気にされている部分かと思います。
ポートフォリオを見る際に注目するのは下記の2つです。
何を作りたかったのか
何を表現したかったのか
簡単に言えば「こだわりや熱意」です。
専門学校にせよ大学にせよ制作系へ進んだのであれば作りたいものがあるはずです。それを十二分に発揮せよという話です。
映像で表現できないならデザインなり文字なりで伝えることも出来ます。
昨今ムービーデータだけのポートフォリオも多々見受けられます。説明も無いので、ちゃんとPDFとしてまとめている人とはそれだけで差がついてしまいます。こだわって作っているのならしっかりアピールしましょう。
いいポートフォリオはポートフォリオ自体から作り手の熱意が伝わります。作りたいものや、やりたいことがしっかりしていれば多少のレベル差は関係ありません。
評価の優先順位
表現したいもの > 技術力 > 数
※個人の見解です
技術力で評価しないのかと思われるかもしれませんが、新卒採用の場合は即戦力を求めているわけではなく、最低3ヶ月の研修で基礎を教え込むので、よほど突出していない限り技術力優先で評価はしません。
むしろ「技術力があるから何となく作ったもの」より「技術は低くても、しっかり作りたい、表現したいものがある」方が評価できます。
クリエイターとして表現したいものや作りたいものを学生時代にしっかり作ってきたのかが評価のポイントです。正直、それ以上に面接の方が重要なのですが…!
何を入れると良いのか?
作品になっているものが評価しやすいです。出来れば自主制作、出来なければ授業の課題でも可です。習作もチュートリアルを受けて自身で再構築したものは評価しやすいです。具体的には背景があって、キャラクターがワンアクションする程度のものが好ましいです。グループ制作の場合は担当箇所を明記しておきましょう。
またイラストや写真などでも評価の対象になります。AfterEffectsで成果物が少ない場合はイラストを多く掲載するのも一つの手段です。
提出形式とデザイン
PDFでポートフォリオを提出する場合は、デザインにもこだわりましょう。
丁寧なポートフォリオは見る側への配慮が伝わり、他者と差をつけることができます。PDFには作品のコンセプトや意図、作業者数、制作日数などの情報を含めると良いです。また装丁や作りがしっかりしていると、それだけで評価に繋がります。
まとめ
かなり簡単にまとめると
とにかく習作は習作のまま載せない
学生時代にこだわりを持って制作に取り組む
と言うことに尽きます。
ポートフォリオのために作品を作るのでは無く、作品を作っていった結果ポートフォリオが出来上がるのが理想です。
また選考ではどうしても他者と比較されます。「作品へのこだわり」、「同レベルの場合は何で差をつけるのか」、「何をすれば自分を売り込めるか」を考えると、自ずと良いポートフォリオが出来るかと思います。
選考はこれで終わりではありません。次回「面接編」でお会いしましょう!
2024年6月1日:面接編追加しました!
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